９日目.中途半端な優しさ ページ10
ｷﾞｨｲｲｯ
「！」
「！起きたのか、ほら…飯」
「ぁ…ありがとう…ございます…っ」
渡されたマックのロゴが入った紙袋で
先生…マックとか行くんだーへぇ…
なんて思えるぐらいには冷静でいれた
「あの…このままならちょっと…食べづらいなぁ…って」
「…抵抗しないか？」
「ふっ…したって先生には敵いませんよ…それぐらい分かりますよ」
「……お前の平常心には驚かされるな」
笑う姿はいつもの優しい先生で…
この人が本当に私を拐った人だ
なんてこんな状況なのに全然思えない
本当に…それが怖い
誘拐犯なら誘拐犯らしくして欲しいモノだ
こんな中途半端な優しさが狂わせる
「…お仕事だったんですか？…その、着替えてるから」
「あぁ…人質を盾に引きこもってた敵を捕縛しに行ってきたよ」
「……」
「状況は違えど、俺も同じ事をしてるって自覚はあったさ」
仮にもプロヒーローがこんな敵紛いな事あってはならない
なのにこの人は平然とやった
一体どんな気持ちでーーー
急に失せてくる食欲
私の隣でベッドに腰かける先生はプロヒーローで
先生で、憧れで……
「…先生…っもう、止めませんか？こんなことバ、 レた…ッ！」
「止める気はねぇし…お前を手放す気もねぇよ」
また殴られるのかと思った
それだけの殺気が背筋に伝わった
傷みに堪えようと目を深くつぶり堪えた
けど
来たのは痛みじゃなくて、頬から伝わる優しさだった
「…A」
「ッ！…せ、…んっ！」
抵抗したらまた殴られる
それが怖くて、怖くてただ流される事しか出来なかった
貪るようにただ奪われる口付け
ずっと信じていた先生はそこには居なくて…
そこにいるのは、狂気に満ち溢れたオトコの先生でーーー
ﾎﾞﾄｯ
私はただ床に落ちて粗末になってしまったハンバーガーを横目で見ている事しか出来なかった
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棗(プロフ) - だだんだんだだんさん» ただの此方のミスです。申し訳ありません。ご指摘の方ありがとうございました (2017年5月20日 19時) (
レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
だだんだんだだん - 公式だと普通科はC.D.E組だと思うのですがA組なのはわざとですか？ (2017年5月12日 19時) (レス) id: c514567c69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2016年9月17日 12時
