２７日目.切っ掛けの原点 ページ28
それから短い距離だけど本当に他愛のない話を先生は付き合ってくれた
「あ、先生！アレが私のい、え…です…っ」
「………」
自分でも声が小さく死んでいくのが分かった
指を指したその先に居たのは家と、あの人姿だったのだから
「…A、随分と遅かったじゃないか！勉強も程々しないとダメだろ？…それで、そちらの方は？」
「ッ…！えっと…っ」
「はじめまして…雄英高校ヒーロー科担当の相澤と申します。」
「ヒーロー科の…そんな先生かうちの娘に何か？」
「Aさんとは先ほど偶然お会いしまして失礼ながらご自宅の方まで御送りさせ頂きました…最近何かと物騒な事件が多いですからね」
よくそんな咄嗟に口から出任せが出てくるものだ
ニコニコ作り笑いを浮かべてるけど、目が全然笑っていない
多分勘の良い先生もソレは分かっているとは思うけど…
こわい
足が強張る
「それは態々ご足労いただきありがとうございました…ほらAもお礼を言いなさい」
「ッあ、ありがとうございました！せん、せ…っ」
「いや、気にするな……また、明日な」
イヤだ
置いていかないで
こんな…アイツの目の前で一人にしないでっ！
そう心で叫んでもけして先生には届かない
ｽｯ
「ﾋｯ…ンッ！！」
「さぁ…家に戻ろうかA」
そっと肩に触れた私を痛め付ける手
叫びそうになる声を必死に手で塞いだ
こんな人でもヒーローなんだ
私を救ってくれるヒーローは私に背を向けてーーー
ｰｰｰｰｰｰ
「！？ーーーッ、はぁ…また夢…か、はぁ」
バッと慌てて起き上がった
息をゆっくり整えながらグラグラする頭を押さえた
本当に夢で良かった
嫌、夢じゃない
本当に合った過去の話だ
幸せだった夢は簡単に悪夢に変わってしまったけどーーー
「…あの時の先生の眼…怖かったな」
家に押し戻されそうになる瞬間、後ろを振り向けば見たことのない先生の睨み付ける眼差しに驚きと恐怖心が芽生えた
それは夢が作った妄想かもしれない
でもそれにしてもリアル過ぎるほど震えた
例えこの事が今の自分の環境を造り上げた切っ掛けの一部だと、この時私には思いもしなかったんだ
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棗(プロフ) - だだんだんだだんさん» ただの此方のミスです。申し訳ありません。ご指摘の方ありがとうございました (2017年5月20日 19時) (
レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
だだんだんだだん - 公式だと普通科はC.D.E組だと思うのですがA組なのはわざとですか？ (2017年5月12日 19時) (レス) id: c514567c69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2016年9月17日 12時
