２６日目.全てお見通しなヒーロー ページ27
「所で何の本買ったんです？」
「教えない」
「えー教師がそんな事言って良いんですか？ハッ！まさか…」
「厭らしい本じゃねぇぞ」
「あ、バレました？」
先生の本来の目的である本屋に寄ったのもつかの間、本当に早かった
私が暇潰しに漫画雑誌を立ち読みしようとパラパラめくっていたら後ろから呼ばれ、既に会計済みだった
既に買うものが決まっていたとしても早すぎる
唖然としていたらまたもや置いていかれそうになった
のを必死に追い掛けた
「…少し待ってろ」
「？はーい」
ニタニタと先生をからかっていたら突然早歩きになったかと思えば薬局へ入っていった
まぁ、男にも色々とあるのだろう
と深々と考えた
「悪かったな」
「嫌々〜男の人にも色々ありますからね！うん」
「は？…なに勘違いしてるが知らんが目薬を買いに行っただけだからな」
「別に良いですよそんな嘘付かなくて！黙ってますって」
「…勝手にしてろ」
「もう少し茶番に付き合ってくださいよー！」
くだらん！と言いたげな目で返された
時計を見たら14時を少し回っていた
「…時間は大丈夫なのか？」
「んーそろそろ帰ろっかな…電車の時間とか移動とかもありますし」
あんまり先生を連れ回すのも気が引けてきた所だ
それに今日は日曜日だからいつあの人が戻ってくるかも分からない
もし、機嫌が悪かったら
って思うと少しは損ねないようにしなければイケない
「送ってやるから行くぞ」
「え、嫌々！流石にまだ全然明るいし…それに」
「此処まで連れ回しといてソレか？」
「うっ、耳が痛い事を……じゃ、少しだけお願いします」
ソレを言われたら返す言葉も無い
渋々頭を下げ帰路に着いた
「意外と良い場所に住んでるんだな」
「…キラキラしてて私は余り好きじゃないんですけどね」
新築住宅街が建ち並ぶ場所に私の家がある
周りは如何にも暖かい家庭を連想させてくれる建物ばかりだ
私からしたらヘドが出そうだ
外壁ばかり飾っても中身が最悪なら意味がないのだからーーー
「ーー音無」
「はい？」
「今日は…楽しめたか？」
「！」
あぁ、此処に来てやっと先生の真意が理解できた
本当に優しい先生だ
「はい！凄く楽しかったです！！」
「……そうか」
何でも先生にはきっとお見通しなんだろう
私の気持ちも…全て
「やっぱり先生はヒーローですね！」
本当に素敵なヒーローだ！
一時でも私を救ってくれる
ヒーロー
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棗(プロフ) - だだんだんだだんさん» ただの此方のミスです。申し訳ありません。ご指摘の方ありがとうございました (2017年5月20日 19時) (
レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
だだんだんだだん - 公式だと普通科はC.D.E組だと思うのですがA組なのはわざとですか？ (2017年5月12日 19時) (レス) id: c514567c69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2016年9月17日 12時
