In a dream ページ10
「………」
Aは無意識領域に沈殿し…移ろい…浮上しては沈んでいく。
「…」
アルフィオはAを見た。
(…綺麗な子…うーん……美味しそうだなぁ……♡)
と思ったが気お取り直してギラスを探しにかかる。
「おっ…夢魔の足跡…」
ユニコーンの残す虹のようにキラキラと軌跡が流れている。
「ギラス!ギラス…」
アルフィオの足が地面に降りたその時だった。
「え……何これ…」
ごうごうと燃える火が目の前の屋敷を飲み込み…怒りのようにパチパチと爆ぜる声を上げていた。
「燃えてる…?」
「っ……っ…」
ギラスが家の前で動揺を隠せない様子でへたりこんでいた。
「ギラス!どうしたの…ギラ…」
その時どこからともなく、歌声が聞こえてきた。
「…London Bridge is falling down,
Falling down, Falling down.
London Bridge is falling down,
My fair lady. ロンドン橋、落ちた、落ちた、落ちた
ロンドン橋、落ちた、マイ・フェア・レディ」
裸足で美しい少女が歌いながら舞っている。
そのドレスは…真っ赤に燃える火のように…赤く赤く血に染まっていた。
Aだ。
「………」
冷たい瞳がアルフィオを見た。
「…っ」
その儚げな美しさと言ったら。
インキュバスですら魅了するような…美しい…
死んだ瞳…
「君…Aちゃん…?」
「…だれ?」
凛とした抑揚のない声が虚空に響いた。
「…君の中にいるこの人を呼びに来たんだ」
「ああ、その人。コソコソして。…ずっと見てたのはこの人ね?」
翠の瞳に金色の髪…緑のリボンをつけている少女がしゃがむ。
「綺麗な髪…」
「…」
「っ!?」
ハッとすると場面が変わっていた。
石橋の上に死にかけた黒猫が血反吐を吐いてヨロヨロと歩いている。
Aが裸足のまま近ずいてゆく。
黒猫はフシャーッと威嚇するがAは構わず近ずき膝をついた。
「…憐れな猫ね…その瞳…中身は悪魔かしら?」
「……ぐるるるみゃぅ…」
猫は唸りながらも答える。
「そう…私の魂…あげる」
黒猫は目を見開いた。
「…私は罪人…せめて…この魂をどうか…役立てて…」
黒猫は動揺したように鳴いている。
「時間がないのでしょう?見ればわかるわ…ほら早く…考えてる時間は無くてよ?」
Aは少しだけ笑って片目を閉じた。
「…っ…グルるニャウ!」
巨大な魔法陣が開き、Aの首から鮮血が吹き出したかと思うと、Aはばったり倒れたのだった。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時