Sleeping Princess… ページ6
息だけが漏れていた。
「は…は…は………っ」
ヴィクターは眠ったAを見下ろしそっとベットに横たわらせた。
「そう何度も続かないだろう」
ギラスはヴィクターの背中に問いかけた。
「この娘は人間だ…いずれ何もかも思い出すが続ければ壊れるぞ」
「…黙れ」
「閉じ込めても意味は無い。人間は脆いからすぐ壊れる」
「…黙れ!!」
ヴィクターは取り乱して叫んだ。
「そうか。そっちがその気なら…報酬を貰うか…」
「報酬…?まさか?!」
ヴィクターが振り向いた時には遅かった。
パチンという音と共にシナモンの香りがふっと舞い上がり、ギラスはAの隣に倒れた。
「夢にっ…クソっ…不味い…不味い不味い不味い…」
黒い爪をヴィクターは激しく噛む。
(夢で記憶を見られるのはマズイ…だがかと言ってナイトメアを先に起こせばA様が死ぬ…標的であるA様を起こしてもナイトメアと共に死んでしまうし…ナイトメアを唯一殺せるのは標的を殺した時のみ…)
ナイトメアの生体、防護策である。
大抵の場合、ナイトメアに憑かれたら自然に起きるまで為す術はない。
「A様…っ」
悲痛なる叫びは無力となって消える。
その頃、青いコポコポという光がAを包んでいた…。
今、夢の中では、ギラスがAの記憶を探ろうと深く潜り始めていた…
interference〈干渉〉→←Are you Mephistopheles?
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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時