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Are you Mephistopheles? ページ5

「ヴィクター・メフィストフェレス…」
メフィスト…?
「ギラス貴様ッ!もういいクビだ!出ていけ」
ヴィクターはギラスにナイフを向けている。
「また記憶を消すのかヴィクター、学生時代から得意だったもんな…いっとう優秀だったお前の、一番上手くできるヤツ…」
なんなの…?頭が混乱してきた。ヴィクターの事についてこんなに知ったのは初めて…
「ヴィクター…あの、」
「黙って!聞いちゃダメだ…僕の…僕の過去は僕のものだ!誰にも…そうだ…A…ね、何も聞かなくていいんだ…だってそうだろ…?聞いてなんになる…?」
蝶の標本のようにシーツの上に腕や足が見えない力で固定され、好き勝手に髪を掬われ、輪郭へ指が伝う。
「…俺の事愛してるだろ…?」
「………私にその記憶はないわ…何故なのかは分かるはず」
「…仕事していいか」
「帰れ」
「帰らないで髪を切りたい」
「チッ…」
ヴィクターが心折れたように倒れた。


3分後
「…お願いします」
「はい」
ヘアサロンのように場が整えられギラスの手にハサミが握られた。
「全体に整える感じで」
「了解」

ヴィクターがチラチラと至近距離で見てくる。

「…綺麗な髪だな」
「(小声)傷つけたら殺す」
「ありがとう…ヴィクター以外に言われたとなると案外そうなのかも。嬉しいわ」
「(小声)喜ばれた羨ましい殺す」
「ヘアアレンジはするのか?」
「(小声)必要以上に触るな殺す」
「あまり…したことないわ」
「(小声)いっそ殺す殺してもコロス」
「うるせえ赤目変態執事野郎」
サクッとハサミがヴィクターの額に刺さった。
鮮血が空に舞う。

30分後。

「ヴィクター、起きて」
私はヴィクターの額の手当をしてヴィクターを揺り動かす。
「…は、ここは…下界…?」
「傷、手当しておいたから」
「天…使…?一目惚れです結婚して下さい」
「ふざけんな起きろ赤目変態執事野郎」
ギラスの言葉を借りてヴィクターにつっこむ。
「それにしても…A様とても手当がお上手ですね…とても綺麗で適切だ…」
ヴィクターが感心したように言うので少し得意になって言ってみる。
「そうよ…私手当は得意で…鳥…を…」
ヴィジョンがフラッシュバックする。

『お前は元気な鳥ね…きっとすぐに飛べるようになるわ…ふふ、くすぐったいじゃない…あっ!こら、あはは』

美しい陽の指す窓辺、座ってるのは…私…?

「A様…?A様!ダメだ…ダメダメダメ…」
ヴィクターの突然の深いキスによって私はまた意識を失った。

Sleeping Princess…→←ウェルカムナイトメア


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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時

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