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FAMILIA ページ33

「う…」
「ギラス帰ったんじゃなかったの…?」
「うるせえ頭に響く…」
「二日酔いみたいな事言ってんじゃねぇよ」
するとAは突然かけていって2人を抱きしめた。
「っ…?A…?どうした…」
「そっ!?相当怖かったんだね!早く助けられなくてごめ…」
「…無事でよかった…ごめんねギラス…」
ギュッと抱きしめると、ギラスは掠れて笑った。
「…何もしてねぇよ」
「ううん…大好き…フィオも…大好き…」
「Aちゃん…」
「…悪ぃなポンコツで」
「ギラスより高位じゃん…よくやったよ…」
「慰めなら要らん」
「こんの…っ…本当にキライ」
「っ…良かった…いつものだね…っ」
いつの間にかAは涙を流していた。
「おい泣くなよ…」
「そうだよ…」
「あ、あの、A様?近くに僕が居るんですが…」
「私の家族の心配して何が悪いの?」
「かっ!?…かぞっ…」
「家族!!いいの?!」
フィオが嬉しそうな声を上げた。
「兄貴ポジか?悪くねぇな」
「お前は弟よポンコツ」
「あ゛??やんのかコラ」
「かかか家族って、コイツらが!?家族なら僕でじゅうぶ…」
「うっすら気づいては居たけど、本物の家族はロクな両親じゃなかったみたいだし…」
ヴィクターが仰天する。
「A様…記憶が…」
「1つ2つの事実だけなら思い出せたわ。両親を殺した事と、ヴァハムート卿を殺した事をね」
「おっ!お体は!何か変化は…」
「ないわ?平気よ」
他の2人も顔を見合わせている。
兆しだろうか。何かが起こり始めているような気がする。
「…とにかく、今日は寝ましょう?ヴィクター…一緒に寝て」
「へ!?そ、そそそその、まだ何も用意してな…あっ!まだ…ストックが…」
「?添い寝よ、また来たら危ないでしょう?」
「添い寝…」
「…この人は何故ガッカリしているの?」
「ごめんね…Aちゃん…友人と言えど流石に口出し出来ないや…」
「あ、いっそ4人で寝る?」
「却下です。しかし…ギラス…お前どうやって入った?」
「切った」
「切るな」
「……」
「結界用の魔法道具(鋏)で」
「お前だよ!!!その穴から奴が侵入したんだ!!」
「………やべ」
「ヴィクター、この子常習犯でしょ?」
「はぁ……やむを得ん…貴様は今日からここで召使いだ」
「わ〜い家族!」
「A様失礼ですが彼は耳鼻科は兼業して居ないのですよ?」
「テメェ…やっぱ俺の事理容師扱いしてやがったな…?」
しかし夜もそぞろ。
ヴィクターはAを抱きしめ、その日は眠りについた。

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  • 健康運: ★★★★★
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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時

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