その時だった ページ30
「……っ!」
月光、窓のヘリ、狂想曲が流れる。
現れたるは、見覚えのある仮面の男。
「っうふっ❤︎僕のいちごちゃぁぁん!迎えに来たよぉぉ?」
ふわりと浮いたまま満面の恍惚の笑み。
殺したはずの、ヴァハムート卿だ。
「な……なん…なんで…」
Aは気づいていないが、あまりの衝撃に記憶が一瞬だけ蘇っている。
「おや…?そちらの銀髪はまさか…男ではないでしょうね?」
声音がしんと降る冷たい雪のようになった。
「男で悪ぃか不法侵入者」
格好つけている所悪いけど貴方も不法侵入です。
「なんで?…なんでなんで…?なんで男をベットに連れ込んでるの…?まさか…浮気…??」
子供のように繰り返して小首を傾げている。
あくまでもチャーミングになので不気味さが凄い。
「っ私はあなたの嫁じゃない!」
咄嗟に叫ぶ。
「…そんな訳ないでしょう…だって貴方のお父様と契約したのは僕ですよ?」
「無効だわ。私が殺したもの」
胸の中で疼いた何かがケケッと笑った。
「ふぅむ…」
しばし考える顔、頭の中はどうヴィクターを呼ぶかでいっぱいだ。
「ま!良いでしょう!珍しく正規ルートで手に入れたのが不味かったんですかね…?あの時攫えば良かった…一目見てあなたを手に入れたいと思ったあの時…に」
にこ、とヴァハムート卿は笑った。
手を伸ばされ目を瞑ったその時、ナイトメアの銀色の髪と銀色の鋏がヴァハムート卿の喉元を捉えた。
「動けば殺す」
「…邪魔な小物だな」
「っ!?ぐ」
何故か吹っ飛ばされたギラスが壁にぶち当たって倒れる。
「はぁ…はぁ…いちごちゃん!僕の為にピンクのネグリジェなんて着てるの…?」
興奮気味に近ずいて髪に触れられ悪寒が走る。
「っ…やめて…来ないで…っ」
怯えた体に恐怖と相手の欲望が入り込んでくる。
シーツの上へ追いやられ、仮面の顔が首筋に熱い吐息を這わす。
「っう…ぅ」
「まあそう怯えないで…愛しい人…マイフェアリー…僕のピンクちゃん❤︎」
チュッと悪戯に頬にキスをされて逃げ出したくなる。
ヴィクター!ヴィクター…助けて…
「今日の下着確認しちゃお★」
「こんの…ピンクジャンキー…変態っ…触らないで!」
殴るとそれを手の平で受けながらスカートをめくろうとしてくる。
「く…そっ!負けるか!この!」
「抵抗されると激しく興奮しますねぇ…」
「青!今日の下着青だから!」
「ならピンクに履き替えさせましょう!任せてくださいサイズはピッタリー」
「キモイ!ほんとキモイ!」
Hit the hand→←just out of the bath🛁
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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時