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馴れ初め ページ23

「…っ(パァンッ)最っ低!」
走り去っていく女の子の声が聞こえる。
「…チッ…クソ女め…」
ブチブチ言いながら階段下の自販機までヴィクターはそろそろ歩いていく。
すると上から銀髪で長髪の男が降りてくるのがヴィクターの横目に見えた。
「…フられたのか」
じゅごーーっと空気をフルシカトしたジュース音が響く。
「…フったんだよ」
硬貨を入れようとしたが小銭がない事に気づきヴィクターは自販機をぶん殴る。
「…お前、いつも一人だな」
「オメーに言われたくねぇ」
「……イチゴオレいるか?」
「いらねーよつか飲みかけだろそれ」
「遠慮するな俺はもう一本買う」
「ジュゴー言ってんじゃねえかもう無いんだろそれ」
「遠慮するな俺はもう一本買う」
「買った方を寄越せ!近ずけてくんな!ゴミ押し付けたいだけだろ!」
「人の親切をお前…」
「親切じゃねえし人でもねぇ」

「…………」

「コーヒー牛乳でいいか?」
「最初からそうしろよ」

「……名前は」
「ヴィクター」
「…」
「いや答えろよ」
「…………ギラス」

ヴィクターはもらったコーヒー牛乳のストローを噛む。

「…おい…金」
「あ?いらね」

ヴィクターは黙る。
悪魔はコすいので100円単位でもしつこく要求してくる生き物だ。契約には対価がある。ギブ・アンド・テイク。報酬、利害の一致、それを叩き込まれるのがこの学校…いわゆる悪魔の義務教育だ。

「授業ちゃんと受けてっか?」
「お前今言うかそれ」

「なになに!?2人何してんの!?♡」

後ろからフィオがヴィクターに抱きついていた。

「サボりが増えたな」
「あっいーな!ジュース!いちごは?俺いちごが良い!」
「……やらんぞ」
「奪い取るまで!」
「こっ…こんの…やめろ…知らない奴に俺のいちごを…」
「俺アルフィオ…っ♡…フィオって呼んで♡これからよろしくね…っ♡」

最後にはフィオの手に飲みかけのイチゴオレが渡っていた。

tea Time…?→←LETS tea party!…


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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時

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