アモーラペリエラットの屋敷 (ページ21)

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Tea・Time ページ21

ギラスは頭を掻いていた。
フィオはにっこり笑顔だが指を忙しなく動かしている。
ヴィクターは腕組みをし、咳払いする。
｢…危うく関係者になる所だったが事なきを得た。帰れ｣
｢もう遅い｣

フィオがピシャリと閉じたのでヴィクターは黙った。

｢…俺は帰る｣
｢ダメに決まってんだろ｣
ギラスはチッと舌打ちして呟く。
｢…こいつがニコニコして指を弄ってる時は｣
｢ブチギレてる。お前だけ逃がすと思うか？｣
ヴィクターが続けた。
フィオがにっこり笑った。
｢説明ありがとう｣
ヴィクターは逃げようとしたギラスを猫の子のように捕まえて元に戻す。
｢…ママ助けて(棒)｣
｢こっちが助けて欲しいわ｣
ヴィクターの声にじろりと視線を送るフィオ。
｢お、おい…悪かったよ…怒りを沈めよ……｣
怖がりすぎて神頼み的になるヴィクター、不安の為か思わずAをなでなでよしよしなんなら太ももをさわさわしている。
｢フィオ先生、セクハラです｣
｢よろしい罪を認めます｣
ﾋﾟｼｬｧｧﾝと雷がヴィクターの手の甲に落ちた。
｢あ゛！？っ痛っっ゛っだ！｣
ヴィクターは信じられないと言う顔でフィオを見た。
｢…っ…っ…幼なじみには…もっと優しくしろよ…っ…俺の事…っ…嫌いなのかよ…っ…｣
涙目になって過剰反応している。
｢どうせ俺なんて…っ…｣
｢まぁた病み期に入っちゃう！ヴィクター！戻ってきて！｣
｢はっ…くそ…病み上がりなのに幼なじみが冷たいせいで…｣
｢人のせいにするつもりぃ？｣
ﾋﾟｼｬｧｧﾝといかずちが鳴った。
｢……ヴィクター…アナタ別人みたいね｣
｢…お前に言われたくはないがな｣

｢ギルァァ(巻舌)ス？ン？｣
｢…ごめんよママ(棒)｣
Aにはなんのことだかよく分からなかったが、状況が進展しているのだけはわかった。
｢3人は…とても…仲良しなのね…私…記憶がないから…｣
しんとさせてしまった。
｢…ヴィクター…いい加減話したら？｣
｢ダメだ｣
ヴィクターは頑として譲らないらしい。
｢私としては聞きたいのだけど…｣
Aとしては当然の事。

｢はぁ…わかったよ。一旦お茶にしない？｣

｢………はぁ？｣

フィオは至極真面目に言った。