アモーラペリエラットの屋敷 (ページ19)

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フィアター〈観劇〉ページ19

まだ生きている。
『あ〜★… And they all lived together
　 In a crooked little house！…〈そして傾いた小さな家で、皆仲良く暮らしました…皆仲良く…〉』
頭を掻き毟ってBAN BAN BAN！
3発素早く連続で足に撃ち込む。
｢ヴッ…！ググっ！ぅあ…！｣
血まみれになってゆく父親の足。
｢うぅっ…ぐずっ…メイリー…アナタぁ…｣
｢っ…フィオナ………ごめんよ…｣
か細い声で父親が薄く笑ったのち、父親の脳天に弾丸がぶち込まれた。
『ヒュウ！残り1発…神様の慈悲かにゃ？きゃはっ★』
A？はフィオナに馬乗りになる。
｢…Hush a bye baby, on the tree top♪
　 When the wind blows the cradle will rock;
　 When the bow breaks,the cradle will fall,
　 And down will come baby, cradle and all
ねんねんころりよ木の上で
　風が吹いたら揺れるのよ
　枝が折れたら落ちるのよ
　その時あなたも揺りかごも
　みんなそろって落ちるのよ♪｣
まるで死刑宣告のように歌う少女は母親の頬を撫で、額に照準を合わせた。
｢っ…うっ…Aちゃん………ごめんね…ママ…もっと…貴方を…｣
『……』
｢見ればよかっ…た…｣
『ッ！？』
いつの間にかサーベルが奪われており、フィオナは自らの意思で胸を貫いた。
返り血がドレスを端から濡らし、胸にまで飛び散った。

『自死は地獄行きだよ…ほんと頭悪いね……あーでも…どっちにしろ地獄行きか…』

拳銃を投げ捨てて、そんで…やっぱり拾って、書斎を漁ってガンホルダーを見つけると、適当に太ももに巻き付けてガソリンを巻きながら家を出る。

『あ〜あ…終わっちったぁ…ん★…』

盗んできた一級品のライターを無作法に開ける。

『ディンドンドン…ディンドンドン…♪』

投げられた火が屋敷に吸い込まれていき、それはパッと燃え上がる。

『あふっ…あはははは…あひゃっ…あははははは★』

笑い声はいつまでも響くように思われた。
一部始終を見ていたギラスは何も出来ずに座り込んでいる。

メラメラと燃える火が、ギラスの瞳の中で瞬いていた。