the end ページ17
長い廊下を辿って、玄関へ辿り着いた時、出てくる者をまるで隠すかのようにピッタリと止められた馬車に迎えられた。
「さぁ…どうぞ…僕の馬車だ…❤︎」
その時カーテンの中に、数人の少女が見えた。
怯えた顔の少女がこちらを見て小さく首を横に振った。
まるで、
''来てはいけない''と言うかのように。
その少女には、片目がなかった。
仮面の男は先に馬車に片足をかけ、Aを見た。
「怖がらないで…さぁ…はやく…❤︎」
Aは靴紐を治すふりをしてブーツの中に手を入れる。
「っ」
その瞬間、取り出して構えた拳銃が火を吹いた。
「あ…え…?」
驚いた顔のまま、
べっとりと胸に血が滲み仮面の男は崩れた。
馬車の中で小さく悲鳴が上がる。
「旦那様!」
御者が降りてきて思わずAに掴みかかる。
「っ!」
「この女っ…あグッ」
ドレスに鮮血が走った。
馬車の中の小さく首を振って警告していた少女が、仮面の男が隠し持っていたらしい杖の中のサーベルを御者の背中に突き刺していた。
「…ぁ…」
少女の勇敢な行動に突き動かされたのか、他の少女達が馬車の中から出てくる。
「助けてくれて…ありがとう…貴方…名前は?」
彼女はか細い声で、「ミ…サ」と答えた。
「ミサ…他の子を連れてこの道を全力で走りなさい。修道院に隣接された病院があります…保護してもらいなさい」
「っ…!」
ミサは目を見開く。
貴方は?と問うているらしい。
「私はまだ…やる事がある…」
どくん…どくん…と心臓が高まってゆく。
絶望、葛藤、緊張、哀しみと苦しみの中に何かが生まれゆくのを感じる。
いや…本当は前から居たのだ。
居てずっと…私に助言をし続けてきた…
「行って!はやく!」
Aの怒号にミサと数人の彼女達は走り出した。
『キひっ…やーーさぁしいねぇ…逃がすんだぁ…★』
何者か分からない声が響く。
意識が薄らいで行くのを感じる。
『まあいーーけどさぁーー…あはっ!…あたしの狙いは屋敷の中だしぃ…でもこっからが本番だぜ?にゃはははは★』
(……一人芝居…じゃないよな…?)
ギラスはガラスで怪我をした手を抑える。
Aは足音を響かせ、屋敷の中へと戻って行った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時