アモーラペリエラットの屋敷 (ページ16)

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What Gillas saw３ページ16

…その数日後だった。
父親が急にAに興味を持ち始めたのは。

｢A、今日はドレスを買ってきたんだ。パリで流行してる一級品だよ…ほら、上品なレースだろう…？ストライプの柄に緑のリボンが締めてある…さ、着ておいで｣

突然書斎に呼ばれたかと思いきやドレスを渡されて着替えるように言われた。
部屋には着付け係が数人おり、有無を言わさずあっという間にAは着替えさせられた。

｢っ…｣

金色の髪にドレスが良く似合う。
髪のリボンとお揃いの緑のリボンが結わえられ動く度に華やかに揺れた。

翠の瞳が動揺して不安げに揺れる。

(…)
ギラスは見守ったままだ。

父親は上から下まで娘の様子を確認した後、客室で待たして居ただろう恐ろしく長身の若い仮面の男を連れてきた。

｢…ヴァハムート卿だ。今日からお前はこの方の妻になる｣

｢…｣

目を見開いたAは固まったまま動かない。

｢ど…して…｣
父親に背中を押されながら声を絞り出すと、父親は後ろから耳元に口を寄せて、生まれて初めて質問の答えを返した。

｢…それが条件なんだ｣

思わず振り向くと、父親はいつもの様にただ笑顔を浮かべていた。

''条件''

そう、それは…いつものように計画に必要な間男の調達の、条件だった。

Aにはわかった。

売られたのだ。

Aの悲鳴は心の中で引き裂かれるようにして大絶叫を奏でた。

…家を出る少し前ヴァハムート卿はAを部屋へ連れ込み、壁に押さえつけて首筋に息を吹きかけキスマークを付けてきた。
｢…はぁ…っ…君を見た時…興奮が止まらなかったんだ…っ…やっと…僕の物に…｣
その指がドレスを捲り、太ももの付け根をなぞるように侵入したその時、部屋のガラスが突然割れた。

それが救いとなってヴァハムートは離れ、大事をとってか玄関へ続く廊下へ連れ出された。