アモーラペリエラットの屋敷 (ページ15)

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What Gillas saw２ページ15

時が少し流れたようだ。

父親が薄暗い書斎で誰かと話をしている。
｢ああ…うん…うん…そう…また振られたみたいだ…計画通りね…うん…ふふ…ありがとう…僕じゃ出来ないから…君には助かってるよ…また1人…雇ってくれるかい…？｣

雇う…？
ギラスは思考を巡らせる。
その時少しだけ扉が薄く空いたのに気がついた。
(！)
居る。
どうやらAが聞いているようだ。
父親は気づかず会話を続けている。

ん…この声…？何処かで聞き覚えが…

しかしAの私室に飛ばされる。
開いたままの日記が机に放り出されているので手に取る。

''初めからおかしいと気づくべきだった''

…あの人はお世辞にももう若いとは言えないのに…次から次へと男に誘われるなんてそもそもおかしかったんだ。

お父さんだ…

お父さんが全部仕組んだんだ…あの人は私に興味さえ抱かない…いつもお母さんの事ばかり考えてる…

狂ってる…何もかも…

誰か助けて …

泣き濡れた染みがいくつかページを湾曲させている。

ギラスは黙って泣き疲れて眠っているAの傍に跪き、長い銀髪をベット脇に下ろし、腫れたAの頬を撫でた。

｢……だれ…？｣
Aはうっすらと目を開けてギラスを見た。
｢…｣
黙ったままのギラスの手にほんの少しだけ笑うA。
｢…冷たくて気持ちいい…｣
涙を流したAにギラスは思わず眉根を寄せて悔しそうにそっと額にキスをした。

｢…っ｣
寡黙なギラスは踵を返し部屋を出ていった。