アモーラペリエラットの屋敷 (ページ14)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:2,180 hit

What Gillas saw. ページ14

…あの女…見かけは普通だが…小鳥を撃ち殺したり…言動にも不自然な点が見られる…このままもう少し観察するか…

ギラスは訝しげに窓の外でAを睨んでいた。

｢…｣

Aは掃除をしながら鼻歌を歌っている。

(…こうしていると普通の女だな…)

すると母親が帰ってくる音が聞こえてAはパッと玄関へかけて行った。

｢お母さん！お帰りなさ…(パァン！)｣
｢へ……｣

帰ってくるなり張り倒されてAは蹲る。
母親は暗い顔で父親の書斎へ歩いていった。

｢……｣
ギラスが思わず声をかけようとしたその時、Aはぱっと駆け出して自室へ戻ってしまった。

ギラスは一人にしてやろうと思いたち書斎の窓を覗きにいく。

｢うふっ…あふっ…えぇぇ…ん…アナタぁ……｣
一人の男の膝で母親が泣きじゃくっていた。
｢…おおよしよし…フィオナ…だから言ったろ…？僕以外とは上手くいかないって…｣
｢どうしてなのかしら…ぁ…ああん…｣
フィオナと呼ばれた母親は愚痴を零しては泣いている。
若い男は車椅子で、母親の方とは違い紳士っぽい洋装だ。
｢なぁ…もういい加減やめたらどうなんだい…？｣
｢…ぐずっ…嫌よ…調子に乗らないでよね…言い寄ってくる男なんて沢山いるんだからっ！｣
母親の目がいびつに歪む。
しかしギラスが驚いたのは父親の表情の方だ。
｢…ふふっ…しかし君は戻ってくる…戻ってくると僕にはわかっているよ…｣
口が耳まで裂けた…ように見えただけだ。
人におよそそんな顔が出来るのだろうか…？ギラスでさえゾッとするような狂おしい程の表情を浮かべて、父親は母親の頭を撫でていた。

(なんだ…なんなんだ…この家は…)

しかしギラスはこの記憶に既に魅入られていたー