Awakening〈目覚め〉 ページ12
ヴィクターは縄も解けきらずAの元へ走った。
「A様!!お加減は如何です?…ああ…っ…お疲れになったでしょう?ギラスのクソ野郎は粛清致しますからね?」
「…その腕で?」
ヴィクターはそこで初めて自分が縛られたままなのを思い出した。
「…(パチン)」
後ろ手に縛られたままでヴィクターが指を鳴らしたその瞬間、縄は燃えカスとなって消えた。
「さあ腕が使えますよ!その前にマカロンをお召し上がりになりますか?」
「いえ…てゆうかどうして縛られていたの…?長いことあなたの事Sだと思ってきたけれど…もしかしてえm…」
「そのくだりやったよAチャン」
「…?どうして私の名前を知って…?」
「アル…気安くA様の名前を呼ぶな…お前と言えど消し炭にするぞ…」
「やだこわぁい❤︎」
きゃっとアルフィオが縮んだ。
「…自己紹介して頂けるかしら…?」
「イイヨー★俺の名前はアルフィオ。インキュバスだよぉ🐾フィオって呼んでねぇ…♡」
バッチリウインクされた。
「アル……」
「やだぁーもう怒らないの!ちゃんと仕事はしたでしょ?成功報酬くらい貰っても良くなーい?名前ぐらい好きに呼ばせてよ〜」
「…」
珍しくヴィクターが閉口している。
「…ヴィクター…彼って…」
「あ♡言い忘れてた…ちなみにヴィクターの、
お笹馴染でーす!よ、ろ、し、く、♡」
「(大きな手がかりだわ…!)」
「…おい…お前ら…用が済んだならとっとと出てい」
「ッヴッ……ぐぅ…あぅ…っ」
突然記憶が流れ込んできた。
燃え広がる小さな家…小鳥の死骸…母の呼ぶ声そして父の話し声…ドレス…橋の上…ディンドン…火、火、火、火、火、!!
そして黒猫…
「アゥグ…ぐ…ぐぐぅ…が…あは…あはは…」
自分の口から笑い声が聞こえる。
「不味いッやはりこうなったか!クソックソックソックソッ…おい!外に出ていろ!入ってきた者は容赦なく殺す!」
ヴィクターの怒号に、2人は風のような何かに捕まれ、外へほおり出される。
「あは…あっひゃっひゃっひゃっひゃっ…あはははんふふふ…」
視界が白へ赤へ黒へ変わる。
「は!」
どぐん。
意識の底…暗闇に包まれたその瞬間別人が変わりに浮上していく。
(アナタ…だれ…?)
「あっはーーーーーーーーーーーーーーィ★」
ゲタゲタとそれは笑いだした。
「よォう…赤眼…久しぶりだナぁ…★」
ギョロんとその目がヴィクターを見た。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:フェンタニル | 作成日時:2020年11月29日 16時