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日常23 ページ25
「朝日奈さん、スタンバイお願いします!!」
『あ、はい』
スタッフさんに呼ばれて楽譜を置いて部屋を出た。
リハーサルが行われる音楽ホールまではそう遠くない廊下を歩いていると、前からリハーサルを終えたであろう青年がこちらに歩いてくるのが見えた。
金色の髪に着崩したタキシード。いかにも俺やる気ありませんと称しているような格好をしている。
この青年が一時期、「天才ピアニスト」だと崇められた三通 雪葉(みとおり ゆきは)だとは誰も気づかないだろう。
あちらも俺の事を気づいたらしく、どこかつまらなそうだった顔が明るくなった気がした。
雪「蛍!!来てたのか!」
久しぶりに会いたかった!と抱きしめられる。
『雪葉、これから俺リハーサルだからもう行かなきゃ』
雪「えええ、まだいいじゃん」
そう言い、不機嫌そうに俺を離した。俺はいつも通り雪葉の崩されたシャツのボタンを閉めてやる。
それを満足そうに見つめる視線を感じながら、閉め終わると『じゃあね』と言った。
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作者名:しのみや | 作成日時:2020年3月14日 22時