12話 嫉妬 ページ12
アキト「なんであんな奴が好きなの？」
ようやくアキトが立ち止まったのはマンションに囲まれ街頭に照らされた人気の無い公園だ
「なんでって…あたしが鬼薔薇を好きなのは尊敬とか崇拝で、恋愛的な意味なんかないよ？」
アキト「それでもやだっ！なんで付き合ってって言われたときはっきり断らないの？やっぱりAちゃん俺のことなんか好きじゃないんだぁ〜……」
そう言って泣きながらうずくまる
「ほら、泣かないで？あたしはアキト君だけだから…ね？」
アキト「嘘だ。だってあいつに撫でられてた時とか嫌がってなかったし」
「人間の世界にはね、社交辞令とか愛想も必要なの。本当に好きなのはアキト君」
アキト「本当？」
恨めしそうに、だけどどこか寂しそうに問いかける
「本当だよ」
アキト「じゃあさ、もし俺がノートを持ってなくても好き？」
「好きに決まってるじゃん」
アキトの赤い髪を撫でる
アキト「鬼薔薇との断ってね？じゃないと、俺死んじゃう」
「アキト君…」
アキト「もしかして鬼薔薇と付き合いたいの？そんなのやだよ…ね、お願い、俺だけ見てて」
あたしの手を握って必死に涙目で哀願するアキトを見て滑稽だなと思った
あたしは別に鬼薔薇と付き合いたい訳じゃない。あの綺麗な手に触れたいだけ
つまらない現実を忘れさせて欲しいだけ
アキト「面倒な事言ってるのはわかってるの。でも嫌なの。だからお願い」
「あたしはアキト君だけだよ。でもね、あたしには計画があるの。その為に鬼薔薇を使う」
アキト「計画って？」
「それはまだ秘密。その計画の為に鬼薔薇が秘密なの」
アキト「それでもやだぁ……」
「アキト君ならわかってくれるでしょ？その計画が成功したらきっとあたしは幸せになれるの」
アキト「俺がいるだけじゃだめ…？」
「あたしはもっともっと幸せになりたいの。もちろんアキト君と一緒にね。二人で一緒に理想の世界を作ろ？」
アキト「うん！」
アキトが単純でよかった
でも、少し胸が痛むのは何故だろう…
気持ちに無理やり蓋をしてアキトと手を繋いで、帰り道にあったケーキ屋さんで美味しそうなショートケーキを買って帰った
アキトは笑っていた
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狂姫(プロフ) - MINORIさん» コメントありがとうございます＼(^o^)／嬉しいです！(｀；ω；´) (2022年10月26日 0時) (
レス) id: 13052b3de7 (このIDを非表示/違反報告)
MINORI(プロフ) - 読んでみました!続きが気になります…!三角関係的なのがおもしろいです! (2022年10月25日 23時) (レス) @page16 id: d1ddcbe9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狂姫 | 作成日時：2022年7月2日 0時
