好きって難しい 。【国見英】

episode21 ページ22

「よし、」






国見がくるまでに身支度は済ませた。






病院食を生まれて初めて食べたけどめっちゃ味薄いのね。





「マクドナルドのポテト食べたい。」





そう呟くと、



ガラッ









「病み上がりの人にそんなもの食べさせられませーん。」





国見がきた。






「…きいてたの？」




「うん。」






「恥ずかしい。忘れて。」





「それは難しいな。」






ニヤニヤと笑う国見を前にわたしは拗ねた顔で国見を睨んだ。




「そんな顔するとかわいい顔が台無しだよ？」





「可愛くないのでいいですー。」







拗ねたので置いてってやろう。






私は、昨日の状態のままの部活の鞄をもって早歩きで進み出した。







「これもってあげなきゃ俺来た意味ないでしょ。」






まあまあ重い鞄を国見はヒョイと軽く持ち上げた。


さすが男の子だなあ。

まつ毛とか長くて目もくりくりで女の子みたいな顔してるのに。
体格とか力はしっかり男の子だ。



かっこいいなぁ。





「…ありがとう。」









「そういう時こそかわいい顔しなきゃ。」






女の子なんだから。









そう言って国見は昨日のように頭をくしゃっと撫でた。


昨日よりは少し乱暴だけど。





「さ。かえろ。」








「うん。」









国見と私は家へと歩き出した。

episode22→←episode20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す