【JM】滑稽な幸福論【男主】

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「この条件断って、俺の情報売って共倒れする？俺は1人だからそれでもいいけど…

　ジミナはメンバーに迷惑かけたい？同性愛者と生活してた、なんて記事出たら、あることないこと書かれるよ？」



そう言って笑顔で僕を見つめるコイツは悪魔か魔王か。



こっちは長い練習生期間を乗り越えたてやっとの思いでデビューしたんだ。こんなところで終わらせてたまるか。


二日酔いで痛む頭でもその思いだけは確かにあった。






「…わかりました。その条件、飲みます。

　ただ、外では絶対に会わないし、恋人にもならないから。あくまで“遊び”。それ以上はなし。」



「いいね。俺もその方が楽だ。飽きたら終わり。お互い好きに遊ぼうよ。」

















そうして、僕とイアニヒョンの関係が始まった。




もう二年も関係が続いてるのか、とスマホのカレンダーを見て思う。膨大な仕事のスケジュールと、申し訳程度に存在する彼との約束。


始めは嫌でしかなかった関係だが、最近はいいストレス発散になっている。

彼女は世間にバレたら面倒だし、風俗を呼んでるのが見つかっても面倒。そんな時に予定が合えば万々歳。



まぁ、男同士だし、なんとなくでもイイところがわかる。それに、関係を持ってから散々遊んで、“なんとなく”がピンポイントに変わった。

悔しいことにイアニヒョンがめちゃくちゃ上手くて、頭を空にできるからいい。あの悪魔はアスモデウスだったらしい。





莫大なストレス抱えてる時にイアニヒョンから連絡来ると速攻で是を言い、なんなら家に押し掛ける。

お互い様というかなんと言うか、イアニヒョンも僕が宿舎を出てからは似たような事をする様になった。





そして、今日がまさしくそれ。


最近番宣で色んな人と共演して、ドラマが始まってもしばらく忙しい予定のイアニヒョンから昼に電話が1本。


要約すると、忙しくてストレスヤバいから遊んで、とのこと。


今回のカムバはイアニヒョンの撮影が重なってて、僕もそこそこ溜まってたから了解を伝えた。




特に気合はいらないけど、ストレス発散の準備だけしてヒョンを待つこと30分弱。







ピンポーン




間伸びしたチャイムが部屋に響いた。

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