レモン色、ひらり番外編～Apres cela～（Kazunari.N) (ページ29)

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「和也さん？」

Aが目を覚ましたのか俺の首に掌を滑らす

その右手をそっと握って指先に口づけた。

和「大丈夫だよ。昨日よりずっと良い」

心配そうな瞳に俺を映してるA

「無理しないでくださいっていうのはきっと私のわがままですね」

そう少し寂しそうな顔をのぞかせた。

あーマズイな

心配させちゃってるな

Aのおでこ、頬、こめかみ

そっとキスを落とす

恥ずかしそうにちょっと体をよじる様子が可愛くて

こんどは唇に………

角度を変えて何度も口づける

だんだんと深いキスになっていく

甘い声がお互いの唇から洩れる

和「A、せっかく来てくれたのにごめんな」

腕の中のAに思わずつぶやく

前にもAにこんな気持ちになった。

もどかしくて

やりきれない切ない想い

そんな俺の気持ちを誰よりも理解してくれているのはもちろんこの子で

「和也さん、前も言いましたよね。私、幸せだって」

俺の大好きな笑顔で俺の顔を覗き込むアナタ。

「こんな素敵な場所で和也さんと過ごせてほんとに幸せですよ」

昨日はちょっとびっくりしちゃったけど

そう苦笑いをする。

和「俺もびっくりした」

その体調不良はほんとに急に俺を襲ってきたけれど

和「とりあえず昨日を乗り越えられてよかったわ」

和「でもさ、せっかくこんなとこまで来てくれたのにちっとも一緒にすごせないじゃん」

ちょっと考え込むA

「和也さん、私こんな海の色初めて見たんです。でね、プールって底を緑とか青で塗るでしょ？

あれってこの海の色を模してるんだって思いました」

突然不思議なことを言い出すA

「あとね、この音がすごく好きなんです。だから眠る時も少し窓を開けて寝てるんですよ」

あ、やっぱりわざわざ開けてたんだ

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