レモン色、ひらり番外編～Apres cela～（Kazunari.N) (ページ22)

今日:10 hit、昨日:14 hit、合計:346,130 hit

　6 ページ22

・

・

このままこの扉が開かなかったらどうしようと焦る気持ちだけが心の中でじたばたしてた。

玄関の扉を少しだけ開けてくれた所へ体を滑り込ます。

見慣れた玄関先にいたのは見慣れないAだった。

メガネを掛けていてもわかる泣き腫らした重たい瞼

目尻は擦りすぎたのかうっすらと赤くなっていて

瞳がまた溢れそうにゆらゆらしていた。

両手は泣くのを我慢しているのか部屋着のワンピースの裾をぎゅっとにぎっている。

和「A、ごめん」

「・・・」

何も言ってくれないAに焦る。

和「取りあえず部屋入っていい？」

何も答えてもらえずリビングへ行く。

いつものように指先を絡めようとしたのにすっと外された。

リビングに入ったとたん抱きしめる

俺に腕を回すこともなく体を固くしてる

ほんとにどうしようって胸がバクバクする

和「A、ごめん

俺、Aの気持ち考えずにチョコとか食べてて・・・」

「・・・和也さんは私が何に泣きたい気持ちになるかわかってない・・・」

和「・・・ごめん、わかってなくって」

「わかって欲しいって思う自分も嫌。

和也さんも嫌。」

ぽろぽろ涙をこぼす

・

・