レモン色、ひらり番外編～Apres cela～（Kazunari.N) (ページ14)

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ちょっと急な石段を上る

御手水で手を洗う

冷たい水が指先をしびれさす

Aがすぐにハンカチを渡してくれた

「和也さんがしもやけになったらマイクが持てない」なんて笑う

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シンとした境内

隣に君の体温を感じながら祈る

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神様、どうぞこの人を幸せにできる俺であれますように

この人が笑ってすごせる一年になりますように

隣を見るとまだAが目をつむっていた

凛とした横顔がきれいで

あーキスしたいなと思ったけどさすがに神様の前でそれはないだろと自分を戒める

ぱちっと目を開けて俺をみて微笑む君

和「何お願いしたのよ」

「内緒です。和也さんは？」

和「・・・内緒」

お互い内緒？なんて言いながら家路につく

和「A、こんな風にしか出かけられなくてごめん」

少しゆっくりした足取りのAに言う

和「恋人同士ならしたいことのほとんどをしてあげられなくてごめん」

ずっと気になっていたことを

ずっと心配していたことをAに話す

和「俺でごめん」

Aはびっくりした顔で立ち止まった

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