871話です ページ25
朝食を済ませた後、私はぼんやりと空を眺めていた。
やることがない。暇すぎる。かと言ってシモンファミリーの手伝いはしたくない。ツナ達が心配だ。
クロームさん、大丈夫かな。
ぐるぐるとそんな事ばかり考えていると突如、後ろの扉が開いた。勢いよく開かれた扉の前に立っていたのは、クロームの部屋にいたはずの加藤ジュリーである。
「おっはよーん、ユキちゃん。元気そうでなによりだよー」
「……おはようございます」
流石に挨拶を返さないというのは日本人としてどうかと思うので挨拶を返す。勿論、睨むのは忘れずに。怖い怖いと肩を竦める加藤さんだが、終始笑顔だ。怖がっているようには見えない。
「何しにいらしたのですか?」
警戒するように一歩、二歩後退りする私に加藤さんは笑みを深め「朗報だよ」と一言。
「朗報?」
「そう、朗報。ボンゴレ10代目らがこのシモンのアジトに乗り込んできました!!」
「……なんですって?」
ピクリと眉を動かす私に加藤さんは更にと言葉を続ける。
「雲雀遥弥とか言う奴も一緒だよ」
……遥弥さんが、この島に来ている?
それは想定外だ。私やクロームが人質となったことで、ツナ達がこの島に乗り込んでくるのは大方予想してはいた。してはいたのだが、本当に乗り込んでくるなんて……
また古里さんに返り討ちに遭っていたらどうしよう。あの時は見逃した古里さんだったが、次はどうだかわからない。
どうか、無事で。ここに辿り着くまで、どうか。
「……それだけを言いにきたのですか?」
「ん?まあね」
「そうですか。ありがとうございます。お出口はあちらです」
ぴっ、と出口の方を指差し、さっさと出ていくように促す私に加藤さんは「ユキちゃん、冷たい」と悲しい顔をした。
「なんでオレちんに対してそんな冷たいのよぉ」
「貴方という存在が嫌いだからです」
「わあ辛辣ぅ!!オレ達会ったばっかりなのにーーっ」
「そうですね。さ、帰ってください」
そして二度と来るな。とは言いたかったが言わなかった。加藤さんはしゅんと肩を落として「んじゃーまた来るよ」と言い残し帰っていった。
いつの間にか力んでいた肩を力をふっと抜くと私は寝転ぶ。
『ヒマそうだねーユキちゃん!!』
いや正確には寝転ぼうとした。寝転ぶ寸前でバルコニーから声が聞こえたのだ。しかもとても聞き覚えのある声。
はっとそちらを見れば……そこにはティナさんだった。
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時