868話 ページ22
当然と言えるだろうが、彼らの……青葉紅葉と笹川了平の勝負はボクシングとなった。
了平の極限ブレイクはもう見切っていると言う紅葉だが、晴のバングルVerXには制限時間がない。
とはいえ……自信ありげに向かっていった了平は、彼にすぐに返り討ちにされてしまう。
(まあ、でも、晴の
まさに、肉体で敵を打ち砕くことを掲げた晴らしい武器だ、とは思う。
ダメージを喰らわないと攻撃が最大出力にならない、というのは非効率的ではあるものの、
少なくとも喰らったダメージを無駄にはしないという点では合理的、というより便利だ。
戦いにおいて無駄をいっさい省きたい遥弥としては、かなり魅力的な特徴ではあるのだが。
(まあ、俺はダメージを喰らうの自体が嫌だけど)
悲しいかな、遥弥は雲雀に似ているとよく言われるが、戦闘狂と一緒にはしてほしくない。
そういう超絶ドライな遥弥と、熱血の晴……そしてバトルフリークの父とは完全にそりが合わないわけだが。
(少なくとも今はその晴の特徴がうまく作用されるはず)
青葉紅葉は強い。ボクサーとしても一流だが、まず彼の強さの秘密はその『目』にあったはずだ。
彼の技術が了平を必ずしも上回っているというわけではないが、見た目では今、紅葉は了平を圧倒している。
「これ……真っ黒で何も見えない」
遥弥がそこまで思考した時、ちょうどいいタイミング……といっていいのかは謎だが、了平が紅葉の眼鏡を弾き飛ばしたらしい。
メガネを拾ったランボから、それを渡された10代目が驚いているが……やはりあの眼鏡はリミッターだったわけだ。
「貸して、沢田」
「あ……はい」
「なるほどね、本当に見えない……って、君、何こっち見てるわけ」
「あ! す、すみません!」
自分の眼鏡を外して紅葉の眼鏡を試していると、不意に視線を感じたのでその方向を見下ろすと、10代目がこちらをじっと見つめていた。
遥弥が眉を寄せると、「ええと……」と彼は少し気まずそうに目を逸らす。
「やっぱり、眼鏡を外すと遥弥さん、ものすっごくヒバリさんににてるんだなあって……」
「何言ってんのいきなり。今関係ないでしょ」
「そうなんですけど……ヒバリさん、来てくれるかな」
ユキが、さらわれちゃったけど……、と呟いて彼はうつむく。
「……心配いらないよ。彼は来る、彼女の為にね」
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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時:2018年10月1日 7時