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864話 ページ18

____そして、継承式翌日。

自身の索敵目的も踏まえた上で、ボンゴレの船には遥弥も乗っていた。

ボンゴレリングをVGに変えた彼らだが、恐らくまだ遥弥の方が強い。

周りに敵がおらず、存分に力を振るえる状況であれば、少なくともこの時代のマフィアに負ける道理はない。


「あれがシモンのアジトのようだね」

「エンマたちが誘ってるんだ……!」


光学系の何かで隠していたのか、海上にぽつんと存在する島。シモンのアジト。

船が近づいただけで姿を現し、まさにこちらに来いと言わんばかりだ。


「ここからは浅瀬だ、この船では行けないな。小型のボートで入島するしかないね」

「用意はこちらに」


有能な9代目の守護者たちは、遥弥が視線をやる前に動いていた。流石あれほどの狸に仕えるだけある。

宿泊用の道具もそこにあるらしい。心配する要素もないので、6人はさっさとボートに乗り込むことにする。


「しっかりな、綱吉君」

「はい!」



____ボートを固定して島に入ると、そこにはいくつかの建築物があった。

なるほど砦戦には有用だろう。この自然豊かな無人島は、白兵戦にぴったりだ。

しかし残念ながら、それを報告しようにも妨害電波が飛ばされていて、9代目に連絡することはかなわない。


____とはいえど。


「師匠」

『おっけー』

「えっ!?」


携帯端末の通話アプリを呼び出してコールをかけると、直ぐに返事があった。

誰とも連絡出来ないはずなのにどうして、という表情で10代目たちがこっちを見ている。


ユキやクロームが囚われている以上、妥協はできない。彼女に助けを求めるのは業腹だが、仕方がない。

……世界最高峰のAIであり、ホワイトハッキングのプログラムである彼女にとって、妨害電波(ジャミング)封じなど御茶の子さいさいだ。

今度も、遥弥からの緊急連絡の信号を電波から読み取り、即座に電話回線を繋ぎなおしたのだろう。


「え、なんで、遥弥さん電話できてるんです!?」

「どこにでもってわけじゃない。この人のいるところだけだよ」

「で、でも、それなら!」

「そうだね、彼女を会して9代目と連絡を取ることは可能だ。……けど、期待はしないことだね」


遥弥がティナにチャイニーズマフィアがいるかどうかを報告するだけならともかく、救援要請をシモンが黙って見てるはずがない。

……それにもう、お出ましだ。


「待ってたよ、ツナ君」

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作者名:夜野兎×さにー☆彡 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1  
作成日時:2018年10月1日 7時

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