彼の倅が時間旅行をしてきたようですがどうすればいいですか？【リボーン/第十七章】

796話 ページ29

「シモンファミリー、ねぇ……」


手にした資料をめくりながら、遥弥は目を細めて呟いた。

今現在はファミリー全員で7人しかいない弱小マフィアではあるが、

……遥弥達の時代には同盟ファミリーの中でもミルフィオーレやキャバッローネに次ぐ規模・勢力を誇る。

そして彼らは、ボンゴレやジッリョネロと同等の歴史を誇るマフィアの祖だ。

とはいえ、今まで交流がほとんどなかったのに、10代目継承式に顔を出すとはどんな目的があるのだろうか。


……未来での戦いで消耗したせいで、24年後の世界に戻っているフィオレンティーナ。

彼女は初代戦術参謀であり、雪の守護者だ。……聞けば何か知っているはずなのだが。

シモンと付き合いのあった時代というと、D・スペードが裏切り、初代ファミリーが瓦解したきっかけとなった抗争のあたりだ。

そこがシモンファミリーが今のような小規模のファミリーになった理由となっていたのなら。


(この時代の、ファミリー間のあいだには確執があったと考えるのが妥当……)


……とはいえどうしたらいいものか。

いやまず、それより。


「綾、ユキ……聞いた話によると昨日サボったのはボンゴレの話し合いに参加してたからって言うじゃない」


＿＿＿＿連休初日、雲雀邸。客間(和室)。

報連相を忘れていたことを先に謝ったユキには座布団を与えているが、二人とも正座させられていた……そして綾は畳の上である。


「一つ質問があるんだけど。君達はボスの守護者だったっけ」

「いえ、違います。連絡を忘れてすみません」

「特に綾、サボり魔の君に聞いてるんだけどね。ユキはボス補佐だからなんとか出席は分かるけど君が如何してそこに参加するんだい？」

「いやそのあれは獄寺君のせいで」

「言い訳はいらない。無断で仕事を欠席、必要なのはその事実だけだからね」


まったく、とため息をついてから、遥弥は正座を解いていいと告げた。全く、一番反省して欲しい綾が反省していないとはどういうことだ。


「取り敢えず綾は最近たるんでるからね。前回の試験、君、獄寺の次で学年2位だったらしいね」

「あ、あれはたったの５点差……ってなんでそんなこと覚えてるの！！」

「次は抜き返さないと暫くお菓子は禁止だから。甘い物ばかり食べてると肌が荒れるよ」

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