海の上の流れ星。 (ページ7)

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「へぇー。"登坂広臣“って感じだね」

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ラーメンを啜りながら加奈が言う。

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誕生日会があった週末の夜、加奈に招集をかけられ
近所の行きつけのラーメン屋に集まった。

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「"感じ"って、加奈もそんなに臣くん知らないじゃん」

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「いやAから話聞いたあと気になっちゃってさ、SNS駆使して調べまくった」

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加奈が教えてくれた"登坂広臣"という人物と、私が彼に受けた印象はさして変わらなかった。

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「で？電話番号とか聞かれた？」

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「まさか。本当に一緒に椅子運んだだけ。あー牛乳ラーメン美味し」

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「えーーー。もうちょっと何かあっても良いじゃん」

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「何かって笑あんな大人が5個下の子供なんて興味ないでしょ」

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それは自分に言い聞かせているのもあった。

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でも本当はもう一つだけ。

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誕生日会も盛り上がりを終えて、続々とみんながお店を出て行くのを、臣くんと談笑している海崎さんの横でお見送りしていたとき。

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「あーあと俺まだ何回かこっちで撮影あるからそん時顔出すわ」

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「おーマジ？待ってる待ってる」

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「Aちゃん？もまた会えるね。多分」

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ふいに私に向けたその言葉に意味なんて無いのは分かっているけど

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彼に名前を呼ばれた瞬間、今までにない心臓の跳ね方をしたのを覚えている。
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