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２人を見た医師の第一声は、
「あれ？谷口さん何かありましたか」
だった。
何かも何も、自分たちは何も知らないのだ、と言うと、
「え？おかしいですね…」
と首をかしげる。
「そもそも、いつ意識が戻ったんですか」
「先週の、土曜日ですよ。ちょうど川辺さんがいらしてて、それでそのまま連れて帰られたんですが…」
(川辺さん…？)
思いがけない名前だった。
彼とは、あの事件の葬儀の後から、１度も会っていないのだ。
―――来てたのか？あの人…
亮子と目を合わせると、同じ事を思っていたのか首をかしげて見せた。
「…けど谷口さん記憶喪失で。それで心配してたんですが」
「……キオクソウシツ？」
言葉が漢字を伴うのに、一瞬間があった。
―――記憶喪失
「…ほんとですか、それ」
嘘をついてどうするんだ、と、聞いた後に自分で思った。
医師も同じ事を思ったようだった。
「ええ…」
先ほどの看護師と同じような顔で、頷いた。
「…脳に障害がある訳じゃなくて、精神的な物だと思われます。
病院を紹介すると言ったんですが、知り合いがそういう専門家だから、そちらに頼むと言われて…」
「…はぁ…」
頭が回らない。
とりあえず、訳の分からないことが起きている、というのは分かった。
「…ほんとにご存じないんですか？
川辺さん、自分で伝えるからと、おっしゃってたんですが…」
「……」
知らない物は、知らない。
「お忙しくて、忘れてるんですかね？」
仕方ないのかもしれないが、この状況の割に、目の前の医師は少々呑気すぎる気がした。
「…そうかもしれませんね。こっちから聞いてみますよ」
これ以上得る物もなさそうで、寛人はそれだけ答えた。
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革ベルト
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如月ミミ - アイさん→遅くなってすいません。コメありがとうございます！頑張ります。 (2011年10月23日 2時) (
レス) id: a263960fb8 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - いっきに読んじゃいました!!
続きを楽しみにしてます(^_^)v (2011年10月11日 1時) (携帯から) (レス) id: 7a5f95c402 (このIDを非表示/違反報告)
如月ミミ - サクさん→コメありがとうございます！これからも頑張ります。 (2011年9月18日 2時) (レス) id: a263960fb8 (このIDを非表示/違反報告)
サク - 面白いです!!
続きを楽しみにしてます(^_^)v (2011年9月12日 18時) (携帯から) (レス) id: 7a5f95c402 (このIDを非表示/違反報告)
如月ミミ - りん(＾ｐ＾)((さん→13ですか…。 うちの弟と同じくらいだ…。 ホントにそうですね。 魔王とバラエティと、両方見てるとびっくりするくらい。どちらも大好きです。 (2011年8月14日 0時) (レス) id: a263960fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月ミミ | 作成日時：2011年5月29日 0時
