くさり ページ24
────どういう状況なんだ、コレは。
目が覚めると、知らない場所にいた。
より正確に言えばホテルのスイートルームの様な部屋である。その広々とした空間の端にあるこれまた大きいベッドの上に、彼────有栖院御園は寝かされていた。
正にアリス・イン・ワンダーランドだ、と八番目の真祖が揶揄いそうな状況。だがそんな状況の中、女がひとりやって来た。
『やっと捕まえた、御園』
「A……！？」
平生より無邪気な彼女────巴月葵の声が聞こえて、御園は勢いよく上体を起こした、と同時に手首に微かな違和を感じた。
「コレは……鎖か」
『うんっ』
いつになく愉しそうに、彼女はそう答えた。
やがて隣に座って、彼の細い手首に対して重苦しく巻き付いている鎖を愛おしげに見詰めた。
『だから、あんまり動かないでね。わたし、痛いのは好きじゃないから』
「……この部屋も、貴様が用意したのか」
『そうだよ。借りるために椿さんのお手伝いいっぱいするの、大変だったんだから』
────最近こいつが学校を休みがちだったのは、そのせいか。
『御園が悪いんだよ。有栖院家の人達なら許せるけど、他の真祖や主人とともだちになるなんて』
彼女は目を伏せて悲しげな表情をした。
『けどもう大丈夫だもんね。ずーっとわたしが一緒にいてあげるし』
彼女の手がゆっくりと御園の手と重なる。彼女の青白い手は少しだけ震えている。
それを見て、彼はふっと笑みを零した。
『……御園？』
「いや……ただAが嫉妬してくれていたというのが、嬉しかったんだ」
『え、』
じわりじわり、彼女の頬が赤らんでいく。
────嬉しい、だなんて場違いも甚だしいな。
こんな状況になってもまだAのことは好きなままだということ自体、信じ難いのに。
「A」
彼女の手を逃すまいと、自分の指を彼女の指に絡めた。
「A、僕は────────」
───────────────────────
「A……A、」
「ふふ、御園ったら、一体どんな夢を見てるんでしょうねぇ」
───────────────────────
Aちゃんに、みーくんって呼ばせたいですね。
お気に入り追加、ほんとうにありがとうございます。
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かとずら+きな粉+氷ザトウ(プロフ) - あられさん» ご返信ありがとうございます。面白くて魅力的で大好きなもので勇気を出してお声をかけさせていただきました。大好きですか…！良いですよね…。ゆるヤ/ン/デ/レ/…いいですね。此方こそ素敵な夢を見させていただきましてありがとうございます…！ (2018年9月18日 10時) (
レス) id: ba2f910ebf (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 初めまして、あられです。コメントありがとうございます〜！私もヤ/ン/デ/レ大好きです。結末などは特に決めてませんがゆるゆるとヤ/ン/デ/レて行く予定ですのでよろしくお願いします(´∇｀) (2018年9月18日 1時) (レス) id: af07f34d99 (このIDを非表示/違反報告)
かとずら+きな粉+氷ザトウ(プロフ) - 可愛いの一言につきます。ヤ/ン/デ/レ/と言うことですがお話が進むに連れ露になって行くのでしょうか。/ヤ/ン/デ/レ/は大好きな物の一つですのでわくわくします。長文失礼致しました。 (2018年9月17日 22時) (レス) id: ba2f910ebf (このIDを非表示/違反報告)
かとずら+きな粉+氷ザトウ(プロフ) - 初めましてかとずらと申します。題名に惹かれ閲覧させて頂きました。文章力と夢主さんさんの可愛さ、御園とのやりとりがもう、 (2018年9月17日 22時) (レス) id: ba2f910ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2018年9月17日 0時
