むかひ の めんへら彼女 ページ7
「なんや2人とも、そうしてると双子みたいやなあ」
いただきます、と隣のがっくんと同じように手を合わせたところで、前に座る忍足くんがそう言った。
「そう?」
「見た目だけやのうて仕草もごっつ似とるわ」
「分かるぜ忍足……」
「初めて会った時、がっくん双子いたっけ?って思っちゃったもんね〜〜」
共感するように幼なじみの宍戸くんと芥川くんがしみじみ頷いている。確かに髪型は意図的にぱっつんにしてるけれど、そんなにかな。とわたしががっくんの方を向けば、彼もこちらを見つめていた。それで目が合って、どちらからともなく笑った。
「だろー?実は、俺と徠夢は“生き別れたキョーダイ”なんだよ」
「またそういう設定持ち出して来よる」
「次のエイプリルフール、それ跡部に言うか」
「それ面白そうだC〜!」
誇らしげにうそぶくがっくんに肩を抱き寄せられる。
本当はその肩の厚さだとか、きりりとした瞳のカッコ良さだって全然違うんだけど、甘えておいた。
「双子……がっくんとお家でもいっしょなの、いいな」
「お、じゃ今日家行っていいか?」
「えーやった!」
「決まりな!代わりにそのからあげくれよ」
「いーよ」
あー、と口を開けて待つがっくんにからあげを箸で運ぶ。うま、と口角を上げて食べながら上下するほっぺたがかわいい。
「いや……やっぱその嘘は通じんと思うわ」
かちゃ、と意味の無い眼鏡をかけ直しながら、忍足くんが神妙な顔で否定した。
「なんで?」
「2人とも距離が近すぎるからや。いくら何でも兄妹同士であーんとか恋人繋ぎせんやろ」
冷静なツッコミに一同で納得した。
「じゃあ2人で跡部に結婚報告すればいいC」
「気早いけど、それええな」
「確かに、もう新婚カップル感はあるよな」
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作者名:あられ | 作成日時:2021年12月1日 1時