７残業はキライ ページ9
断片的で靄がかっている誰かの記憶と思わしき映像が頭の中に流れ込んでくる。
否、流れ込んでくるというよりもフラッシュバックするという方が正しいかもしれない。
---アトラス…？ねぇ、アトラス‼---
---嗚呼、なんて酷い事を…‼アトラスを返して…‼---
---お前にその男は邪魔だ。そもそも、お前が此奴を愛さなければ良かった話…ガイア、戻れ。今ならまだ間に合う。神にも話をつけよう
さあ、俺の元へ戻れ---
---嫌だわ、私が愛したのはアトラスよ…‼---
---小癪な真似をするな…‼お前は悪魔だ…‼---
石の神殿で血濡れた死体を抱えた女と体格の良い男が言い争いをしている。アトラス、ガイアとは誰の名だろうか。
でも何か感じる、鳥肌が立つような。
ショコラは切り替えて事務所に帰る。
……そうだった。焼きそばを買って帰らなくては。
サイドキックさんが待っているかもしれない。
もうすぐ7時30分だ、早く帰ろう。
今日も残業だろう、と自分で想像して肩を落とす。
よし、頑張ろう…‼
その後ろに着けてくる影も知らずに。
「お帰りなさいショコラさん。良い匂いですね、お腹空いちゃいました。」
『私もペコペコ、迷子の子がいて遅くなっちゃった。食べましょ、焼きそばとずんだ餅です。』
「わあ‼すみません、払います」
『あー良いの、良いの。いっつもお世話になってるし。サイドキックさんのお陰で仕事捗ってますからね。』
「うぅぅぅショコラさぁん私、一生着いていきます‼」
『自立してよ？サイドキックさん優秀なんだから。期待してるよ』
「やめて下さい‼自立なんて考えたくないですぅ。
美味しい…
『本当ね〜美味しい‼頬っぺた落ちそう』
その後私達は無事完食し、サイドキックさんは強制的に帰らせた。遅くなると危ないし今日は敵退治頑張ったから。
本当はヒーローとかそういうの関係なく送ってってあげたいけど、その帰りが危ないから止められた。
パソコンのキーボードを打つ音だけが事務所内に響く。甘宮Aは、ぐーっと伸びをしてコーヒーを飲む。
再びパソコン作業に戻ろうとするAに連続して三通のメールが来た。
『誰だろ…』
携帯を覗き込むとサイドキックさんからホークスさんのメールと文章、そして可愛いスタンプが送られている。
〈ホークスさんから送られてきました。お仕事程々にして下さいね。おやすみなさい〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湯葉(プロフ) - 続き楽しみです！ (2020年4月25日 21時) (
レス) id: 8a4439c68e (このIDを非表示/違反報告)
みん - サイドキックさんのキャラが好きです(笑)体調に気を付けて、更新してください。待ってます！！ (2020年4月8日 18時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むすび。 | 作成日時：2020年3月29日 21時
