４０喫茶店 ページ43
思ったより早かった土曜日。
待ち合わせ時刻の10時がくるのは直ぐだった。
緊張して心臓の音が聞こえる。
鷹見さん、まだ覚悟ができてないから来ないで。
でもなんでだろう、やっぱり可笑しいよ私。
今日の服も新しいのを下ろして、髪だっていつもより綺麗に結んで鏡を何回も見た。
昨日お酒を飲んで恋を捨てた気になっていたけど、まだ私は彼を好きらしい。
少し早く来てたから待ってるしかないか。
私はぼーっとビルを眺める。
なんも面白くない…って当たり前でしょ。ビル見て何が面白いのよ。
「…あ、甘宮さん。お待たせしてすみません。」
下らない事を考えて直ぐ鷹見さんが来た。
『…………え、まだ15分も前ですよ。どうして。』
待ち合わせ時刻より早いのに。
「それを聞きたいのは俺です。女性を待たせるなんてお恥ずかしい。…行きませんか？」
『えぇ、はい。…もっと遅くて良かったのに。』
「なんだか早く来たくなって。真逆、先を越されてるだなんて思っても見ませんでした。」
優しい顔で笑う貴方。胸がキュッと苦しくなる。
なんの苦しみか分からない。
「どこ行くか決まってませんでしたけど何処行きたいですか？」
『私は貴方となら何処でもいいですよ。』
…正直に答えてしまって恥をかいた。
「…ッ……はは、じゃあ、あそこのお店寄りませんか？」
『そうですね。行きましょう。』
やっぱり貴方は私なんかに興味も無いのね。
…何を話せばいい？話題が見つからない。
『本屋に寄っても良いですか？』
丁度新しく出た本を見たかった。話題が無かったからってのもある。
鷹見さんは頷いて、2人別々の所で本を見た。
お洒落なんてしてこなければ良かった。
「決まりました？」
『はい。この後は何処行きますか？』
私、目を見て話せてない。貴方の事をちゃんと見たいのに。しっかり向き合いたいのに。
「喫茶店とかどうですか？座って話したいので」
『あっちの店なんてどうですか？』
「そうしましょう」
ぽつりとあってあんまり人の入らなそうなお店。
あそこなら、ゆっくり話せるかもしれない。
カランカラン、とドアの鈴が音を立てて客の来店を知らせる。アンティークな家具の揃った綺麗なお店だった。
「2人です」
「お好きな席へどうぞ」
奥の方の、会話が聞かれなさそうな席に座って、女中さんは水の入ったグラスを置いた。
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湯葉(プロフ) - 続き楽しみです！ (2020年4月25日 21時) (
レス) id: 8a4439c68e (このIDを非表示/違反報告)
みん - サイドキックさんのキャラが好きです(笑)体調に気を付けて、更新してください。待ってます！！ (2020年4月8日 18時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むすび。 | 作成日時：2020年3月29日 21時
