薬 ページ13
鼻を通り抜ける薬品の匂い。ああ、懐かしいな、なんて思いながら目が覚めた。てか私寝て起きて繰り返してばっかりだな…
？「目が覚めたかい。」
貴「！？誰！！」
？「あたしゃDr.くれは。『ドクトリーヌ』と呼びな。」
ついさっきまでの記憶が蘇る。
貴「あ、医者の人…」
く「さて、アンタには聞きたいことがあるんだ。」
貴「聞きたいこと？」
く「アンタはシャナの子かい？」
貴「！！なんで、」
く「やっぱりね。アンタはシャナにそっくりだ。」
前にも言われていたが、私は本当に母様にそっくりなのだろうか…？
く「質問だ。アンタ、天使かい？」
貴「半分は…ですけど。」
く「シャナから伝言をもらってるよ。」
＿＿＿＿もし、いつか私の娘が来たらこれを渡してください。
＿＿＿＿中身は天使には分かります．
渡されたのは小さな袋。中を見てみるといくつかの錠剤が入っていた。見てすぐにピンと来た。これは＿＿
貴「堕天化の進行を遅らせる薬…！」
これがあれば、少しは治るはず…でもどうして…母様は私にこれを？
く「シャナは未来を見る力があったらしいよ。」
貴「未来…」
く「アンタ何歳だい？」
貴「たしか…400は超えていたと思います。」
人間にとっては長いだろうが、天使にとってはまだまだ子供の部類だ。人間で言う15〜18歳くらいだろうか？
く「シャナは生きてるかい？」
貴「………殺されました。」
く「そうか…天使ならまだ生きてると思ったが…」
瞼を閉じれば殺された母の姿が浮かぶ。
貴「外が騒がしいですね。」
く「ああ、今、アンタんとこの船長が暴れているよ。」
貴「ルフィが？」
く「ま、そのうち終わるだろうさ。ほら、病人は寝てな！！」
そう言い残し、ドクトリーヌは部屋を出て行った。
貴「ここでも、母様の話が聞けました。母様は、地上で何をしていたのですか？」
その呟きは虚空に消えて行った。
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作者名：レイ | 作成日時：2022年10月16日 23時
