落ちてきた堕天使 (ページ12)

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頂上ページ12

冷たい風が頬に当たり、目が覚めた。どうやら私はルフィに掴まれ、山を登っているようだ。だが、ルフィも限界に近い。手がガクガクと震えている。それに加え、三人も人を持って登っているのだ。きっと辛い。

貴「ルフィ、代わるよ。」

ル「！！おへははふ！！おはへはへえお！！」
訳:俺がやる！！お前は寝てろ！！

貴「…大丈夫。ルフィ、私にも、みんなを助けさせて？お願いだから。」

ル「……」

ルフィの手は止まらない。でも、きっと…
その時、ガリッと音がした。

ル「痛っ！！！」

そして聞こえたルフィの声。ルフィが口を開いたためサンジが落ちていく。
私はルフィから手を離し、落ちていくサンジを掴んだ。それと同時に羽を広げる。そのままルフィも掴み、上へ上へと進んでいく。

貴「ルフィ、おやすみ。」

よほど寒かったのか、疲れていたのか、はたまた両方なのかはわからないがルフィは安心したような顔で眠った。

貴「流石に…人間三人は重いな…」

頂上までは距離がある。それに加えとてつもなく強く吹き付ける風。飛ぶのは久々で安心はできないが、長年使ってきたんだ。きっと、まだ、大丈夫。

途中、何度か血を吐いた。頭がフワフワとしてきて、今どれだけ堕天化が進んでいるのかもわからない。それでも、助ける。絶対、助ける。何より、母様なら、絶対見捨てない！！
決意を胸に、山を登った。そしてついに、頂上が見えた。三人を地面へと置く。前へ進み城を見上げる。

貴「あぁ、そっくりなのに、全然、似てないなぁ…」

頭の中に浮かんだのはアイツが住んでいるところ。あの、悪夢のような場所。
力が抜けてその場へ座り込む。

貴「あは、ちょっと、疲れたな…」

そう呟くと城から人が出てきた。

？1「お前…」

貴「医者？……医者なら、お願い。三人を、助けて。多分、一人は凍傷でもう一人は骨折と出血がひどいの。それから５日病の子がひとり…お願い、助けて…」

言い切ると同時にまた血が出てくる。

？1「お前も重症じゃないか！！」

貴「私は、いいの。どうせ、治らないから。でも、三人は、治るから、お願い！助けて！！」

？2「チョッパー、湯を沸かして、フェニコールと強心剤、チアルシリンを用意しときな！！」

いつの間にかもう一人増えていた。

？1「おい！？返事しろ！おい！！」

私はそのまま眠りについた。あぁ、よかった。医者が…いた。