第7話 ページ8
煉獄杏寿郎side
下弦の壱。
そこまで強い相手では無かった。
しかしその後に来た者が厄介だった。
体に入っている妙な模様、そして目には上弦の参。
こいつとは初対面だが、体の奥底から存在を否定したい気持ちが溢れてやまない。
「俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ」
「炎柱?煉獄?ああ、そうかそうか‼俺は猗窩座。お前に会えるとは思わなかった!」
俺の名前を聞き、急に高笑いをしだすこいつを今すぐにでも葬ってやりたい。
しかし、単純な攻撃では当たらない。
上弦の参だ。
簡単に倒せる相手ではないだろう。
「お前はあの女の旦那か‼あいつは良かった!最後まで抵抗してたなぁ。最後には死人のような目をしていた。あの女はどうなった?風邪の噂で死んだと聞いたが、まさかそんなわけあるまい」
どうなった?だと?
ああ、Aの言っていた鬼とはお前のことか。
お前のせいで死んだ。
お前が殺した。
俺の愛した妻とその子供を、一夜にして奪い去って行ったのはお前なのか。
「お前に答える義理はないっ‼」
『杏寿郎さん…』
Aの声が聞こえる気がする。
ああ、どうか力を貸してくれ。
俺の力じゃ、残念だがお前の仇を討てそうにない。
だから…
『そんなことしなくて良いです』
何故だ?
心の中のAに問いかけながら、俺は猗窩座に向けて攻撃を放つ。
『憎しみに囚われる必要はどこにもありませんから。それに、もし仮に、命を落としたらどうするんです?あなたは、誰よりも自分の優先順位が低いんですよ。駄目です。もっと自分を大切にして下さい』
無理だ、俺はお前を守れなかった。
誰よりも守りたかったのに…。
次々と攻撃を放つ。
強く強く、もっと強くっ‼
こいつを殺せるくらい、強く‼‼‼
『杏寿郎さんっ…!己の欲に溺れてしまってはいけません。あなたのやるべきことは…命を守ることです。他人だけじゃない、自分の命も……今は、もういない私のことなんて考えてはいけません‼』
ああ、君はそういう奴だったな。
君こそ、自分の優先順位が低いんだ。
だから、死んだんだろう?
他人を優先したせいで死んだのは、君も同じじゃないか。
「炎の呼吸 伍の型 炎虎‼」
その瞬間、敵の攻撃によって、俺の左目はなくなった。
Aの悲痛な叫びが耳の中に木霊した。
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スノードロップ(プロフ) - ユリさん» 最後まで、お付き合い有難うございました!続きですね…!?頑張らせていただきます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。出来れば続きがみたいです (2019年12月11日 1時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - ツバサさん» とりあえず、話の流れと大まかな物語は書いているので、更新ペースを上げられれば、と思います!頑張らせていただきます! (2019年12月9日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - この後の展開が気になり過ぎて待ちきれません。更新頑張ってください (2019年12月9日 4時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - サクラさん» 有難うございます(*^-゜)vThanks!更新ペースは、遅いですが、最後まで見てくれると嬉しいです! (2019年12月2日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
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