第1話 ページ2
煉獄杏寿郎side
「ヒノカミ神楽について聞きたいんです」
横に座った少年はそう言った。
そして、そこに至るまでの経緯を順々に丁寧に話してくれた。
自分の父がやっていた神楽が戦いに応用できた事。
胡蝶から俺に聞けばいいと言われた事。
「だが知らん!『ヒノカミ神楽』という言葉も初耳だ!君の父がやっていた神楽が戦いに応用できたのは実にめでたいが、この話はこれでおしまいだな‼」
しかし、俺は何も知らない。
少年の役に立つ情報は何一つとして持っていないのだ。
「それより、少年。俺は君の妹について気になる」
いつもより声のトーンを落とし、声量も落とした。
「君は鬼殺隊に入ったのに鬼である妹を殺すことは考えなかったのか?」
「何故、ですか?」
「実は……いや、ただ気になっただけだ!」
話す必要はない。
少年が知ることではないのだ。
妻の話などする必要は微塵も無い。
『杏寿郎さん』
鈴の鳴るような美しい澄んだ声。
黒く長い髪。
俺を見つめる優しく黒い目。
彼女の作った美味い飯。
一つ一つ浮かんでは消えていく。
「俺には…禰豆子しかいなかったので。せめて、禰豆子だけは守り抜いて、幸せにしてやりたいんです。そのために鬼殺隊に入りました」
少年はこちらをしっかりと見て、はっきりとした口調でそう話した。
「切符…拝見…致します…」
「??なんですか?」
少年の純粋な瞳を見て思い出す。
妻も田舎育ちで初めて汽車を見た時は驚いた様子であった。
「車掌さんが切符を確認して切り込みを入れてくれるんだ」
少年に説明しながら、俺は切符を差し出す。
その瞬間パチンッと小気味好い音がして、切符に切り込みがついた。
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スノードロップ(プロフ) - ユリさん» 最後まで、お付き合い有難うございました!続きですね…!?頑張らせていただきます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。出来れば続きがみたいです (2019年12月11日 1時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - ツバサさん» とりあえず、話の流れと大まかな物語は書いているので、更新ペースを上げられれば、と思います!頑張らせていただきます! (2019年12月9日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - この後の展開が気になり過ぎて待ちきれません。更新頑張ってください (2019年12月9日 4時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - サクラさん» 有難うございます(*^-゜)vThanks!更新ペースは、遅いですが、最後まで見てくれると嬉しいです! (2019年12月2日 7時) (レス) id: 4bbeb34f3b (このIDを非表示/違反報告)
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