少女は銀色狐の夢を見る【NARUTO】〈2章〉

六十六話　失格 ページ21

『あれ？ナルト君は…？』


試験当日。
アカデミーの前で、自分の子供の卒業を喜んでいる親と、自分は一人前になったんだと興奮している子供達がごったがえす中、私は友が出てくるのを待っていた…が、一行にナルト君の姿が見つからない。


『スイマセン！金髪で、頬に三本の線が入ってる男の子見ませんでしたか？』
「…ああ、あの子ならさっきまで彼処のブランコに股がってたわよ。今はどっか行っちゃったけど。」
「目障りが消えて何よりよ。」
『…ありがとうございました。』


大人達の言いように反論しそうになったが、グッと堪えて礼をした。

でも、ナルト君何処行っちゃったんだろう…まさか、失格になったってことは…

止めよう。そんなこと考えるだけ無駄だ。

先に演習場にでも行ってるんでしょ。

…きっとそうに違いない。

脳裏をかすめる不安を振り払い、演習場へと足を踏み出した私だった。

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