引退した牛島君と私。 (ページ29)

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「「「ありがとうございました！！！」」」

今日1日の練習の終わりを告げる挨拶が聞こえた
そして、私の頭の中では疑問が回っていた

今のはスプリットステップ？
確か日向君はレシーブは上手くなかったはず……
じゃあ、自然にしたってこと？
それはそれで、すごく気になる

『あの、日向君……』

「呼ばれてねえ奴に飯も寝床も無えからな」

白鳥沢のサポートたちと談笑している日向君に、私が話しかけようとしたとき、監督が言葉を放った

「…あっ、ハイ！！」

『……え？』

「……なんだA、何か不満か？」

『あの、普段の合宿より人数が少ないので、日向君も泊まって大丈夫ですよね？』

「…日向翔陽は無いチャンスを創りに来た。それが上手くいったのかはさておき、選ばれないという事が奴の現状でそれは今後もあり得ることだ」

『そうだけど…』

いつの間にか牛島君が隣に立っていた
彼がいっていることは正しいけれども

「若利の言う通りだ、まだ何かあるか？」

『……ありません』

ごもっともです。私がそう答えると、監督は去っていった
すると突然、横からぐいっと腕を引っ張られた

「それよりA」

『ん、ちょっと！』

牛島君は私の腕を引き、体育館を出た
その後ろには他の3年生が居て、ニヤニヤしている
この状況を面白がっているようにも見える

そういえば、彼を避けていたんだった

この事実を忘れていた私は馬鹿では無いと思う。
決して、たぶん、ほんとうに