引退した牛島君と私。 (ページ3)

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誰か私の状況を教えてください。

牛島君が私の前に来たのは分かった
そしたら急に視界が暗くなって
それから、それから？

私、抱きしめられてる……！？

背中に回っている手は彼のものだと思う
目の前の分厚い大きな身体は彼以外にはありえないけれども
抱きしめられている理由が分からない

『う、牛島……君？』

「……」

『急にどうしたの？』

「……」

『ねぇ、本当に…』

これどういう状況！？

いつも彼はあまり話さないけれど、この状況での無言は正直つらい
そして何よりも周りからの視線が痛い

すごく、すごく見られていることが分かる
先ほど試合を終えたばかりだということが、頭から抜けていた
そしてまだ観客席には大勢の人、コートにも大勢の人

ざわついていた会場が静まりかえっている

『う、牛島君』

「……」

本当にどうしたの？
いつもの彼らしくない？
いや、本当は彼のフリをした誰か？

ダメだ、頭が混乱してきた
さっきよりも強く抱きしめられている気がするし

もうほんと

色々な意味で泣きそうだ