第六話 ページ8
「では、適当に二人組を作れ！」
その掛け声と同時に、こちらに多くの足音が向かってきた。が、私と彼らを隔てるように、セイルが身を滑り込ませ睨み付けた。それだけで足音は全て止まり、むしろ後ずさりする者もいた。そりゃセイルは２ｍ以上あるし、事実強い。そんな奴に睨まれれば怯むのも当然だろう。そう考えていると、一人の大男がセイルに向かって近付いてきた。
「全員ビビりやがって！おいお前！俺と組め！！」
「…どうしますか」
『ペアは任意だ。お前も好きなのと組んでいいよ』
「わかりました。どうせやるなら少しでも手ごたえのあるやつが良いですしね…。あと簡単に死なない程度の強度のあるやつ」
『おい。手加減忘れんなよ？』
「勿論です」
そう言って大男とセイルはペアを組み、組んだものが集まる待機所に移動した。すると
セイルには手加減しろと言ったが、実際私だって手ごたえあるヤツとやりたい。どうやって選別するか考えて、ふと思いついたことを実行した。押し寄せる奴らの隙間をすり抜けていく。何人か捕まえようと手を伸ばしてきたがそれも交わして避け続ける。そしてあっという間に集まってきていた奴らの群れを抜け出すことが出来た。
『…何だ、誰も捕まえられなかったな。捕まえた奴と組もうかと思ったのに』
「…なら俺と組め」
『！…ははッ、喜んで』
ふと気づいた時には完全に背後を取られていて腕を掴まれていた。正直いつ背後に回られたのか一切わからない。気配を消すのが上手すぎる。コイツは強いな。そうわかったからこそコイツとペアを組むために試験官の所にペア決定の報告に行く。すると私を狙っていた奴がわらわらとペアを組み始めた。どれだけ適当なんだ、ペアの決め方。
「２１番と１０番がペアだな。よし、待機しておけ」
『はい』
ペアを組んだ男は決定するなりふらりと離れて行った。すると今度はセイルが近付いてきた。セイルの表情は少し硬くて離れて行った男をじっと見つめていた。
「…A様、アイツの事気付いてましたか？」
『いや、声をかけられて初めて気づいた』
「アイツ、A様の動きをしばらく見て先回りしてましたよ」
動きを先読みされてたのか。…それ、かなり手強くないか？ペア組みミスったかもしれないな。人混みに紛れて見えない男を見てそう考えていた。
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サイレ - もっと早く見つければよかったぁ〜 前のも見たかった(´･ω･`) けどとても面白くていい作品なので、更新頑張ってください！( ` ･ω･´)ゞ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: bd83451188 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続きをお恵みくださいぃぃぃぃぃ (2018年6月23日 1時) (レス) id: 8f142429c4 (このIDを非表示/違反報告)
カイ - 頑張ってください (2017年4月7日 15時) (レス) id: 41ae0ea02a (このIDを非表示/違反報告)
黒い鉄格子(プロフ) - 一話から一気読みしてきました！wとても面白かったので、お気に入り登録させていただきました！更新頑張ってくださいね！ (2016年9月11日 13時) (レス) id: 1317c64b8e (このIDを非表示/違反報告)
サクラン - 今日読みました〜おもろんでしたぁ！ さいしんおわたのかなぁ……… (2016年2月11日 23時) (レス) id: 1bdc6b786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珀影 | 作成日時：2014年5月21日 0時
