第四話 ページ6
セイルとこっそり言葉を交わしながら走り続けること５０分。もう残すは３周だけになり、そろそろ終わるなぁとぼんやり考えていた。周囲の受験者たちは息を荒げながらも必死に走り続けていて、逆に一切息を切らしていない私たちが浮いている。それでもペースを変えることなく、時々転がっている受験者を避けながら走る。そしてすぐに３周なんて走り終わり、９着と１０着で持久走を無事通過した。
「…滅茶苦茶チョロかったですね」
『やめなさい。他のヤツに聞かれたら目の敵にされかねないでしょ』
「そしたら俺が…」
『やめなさいって』
今の今まで走り続けていたことへの疲労感など一切見せずに端の方でセイルと言葉を交わす。水分補給するように告げられ水道で水分を取り、未だ走る受験者と疲労で転がる受験者に目をやる。死にそうになりながらも足を動かす奴ならまだしも、ああして転がっている奴に見込みはないな。海兵になりたいなら最低限の持久力位つけておくものだ。そうこうしているうちに、通過者２０名を越して持久力のテストは終了した。
そして休む間もなく次の筆記試験へと会場を移動した。受験者番号順に並べられる。連番の私とセイルは前後になって座らされた。そして早々に筆記用具と用紙を配られた。制限時間は６０分。一般常識一枚と海軍や海賊についての知識一枚の計二枚を制限時間内に解くことになる。
まぁ、私にしてみれば簡単だろう。ただ問題はセイルだ。セイルは脳筋で頭を使う事が大の苦手だ。試験的に見ればもう実技で合格することは確実だとして、持久走でも合格を貰っているので受かることは確定事項だ。だが、どうせなら全部合格出来た方が良いに決まっている。
後ろに座るセイルを盗み見ると、ぱちりと目が合った。そしてそのままスーッと視線は横に流れて行った。それを追う様に少し体を傾けると、今度は逆の方に視線は逃げていって一切視線を合わそうとしなかった。…コイツ、合格する自信ないな。だがまぁ、仕方ない。こればっかりは手を貸すことなんて出来ない。心の中で応援しておけばいいだろう。そして説明を終えた試験官は受験者を見渡した後に声を上げた。
「それでは第二試験、筆記試験を開始する！」
開始の合図とともに筆記用具を手に取り、用紙を裏返した。先程は手を抜いたが、今回だけは手を抜かずに全力で行こう。海軍入ったら指示出すところとかに入りたいし。そのためにも、目指すは満点だ。
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サイレ - もっと早く見つければよかったぁ〜 前のも見たかった(´･ω･`) けどとても面白くていい作品なので、更新頑張ってください！( ` ･ω･´)ゞ (2018年8月14日 21時) (
レス) id: bd83451188 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続きをお恵みくださいぃぃぃぃぃ (2018年6月23日 1時) (レス) id: 8f142429c4 (このIDを非表示/違反報告)
カイ - 頑張ってください (2017年4月7日 15時) (レス) id: 41ae0ea02a (このIDを非表示/違反報告)
黒い鉄格子(プロフ) - 一話から一気読みしてきました！wとても面白かったので、お気に入り登録させていただきました！更新頑張ってくださいね！ (2016年9月11日 13時) (レス) id: 1317c64b8e (このIDを非表示/違反報告)
サクラン - 今日読みました〜おもろんでしたぁ！ さいしんおわたのかなぁ……… (2016年2月11日 23時) (レス) id: 1bdc6b786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珀影 | 作成日時：2014年5月21日 0時
