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ふと音が景色が匂いが流れてきた
周りを見渡せばどこまでも続く深い闇
まるで水の中にいるような浮遊感
見慣れない場所にAは数度瞬きをした
「ここは......」
次の瞬間カメラのフィルムが高速で巻き戻されているかのようにAの記憶が流れた
ｼﾞｼﾞｯ と嫌な音を立て止まった映像
そこに移されていたのは少し幼い顔立ちのAとクロロであった
ビシッとスーツを着こなし髪を下ろしたクロロ。エスコートされているのは赤い髪のA
「これって...ビネッツェ家のパーティーの時のだ」
2年ほど前の仕事の映像であった
標的が主催するパーティーに参加するにあたってクロロに婚約者役をしてもらったのである
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卑下な笑を浮かべて近づいてきたビネッツェ
どうやらAが1人になったのを見計らって近づいてきたようだ
ちなみにクロロは御手洗に行くと言って別の動きをしている
「おや、可愛らしいお嬢さんだおひとりですか？」
「ビネッツェ様。今宵はお招きありがとうございます。はい、今御手洗に行っていて」
「なるほど それでは少し話でもどうですか？」
さりげなく腰に回された手
反射的に折りそうになったがありったけの理性をかき集め堪えた
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作者名：悠 | 作成日時：2019年10月30日 23時
