甘辛彼氏くん。

K.N&F.K ｷｮｰﾀﾞｲ ページ12

「」A
『』健人
[] 風磨




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私には兄がいる。
しかも2人も。

……まあ、血は繋がってないんだけど。


だからかな。





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『ふふ、おはよー』
［おい。さっさと起きねえと遅れるぞ］

「ちょっ……二人ともなんで私の部屋にいるの！！」






ちょっと、感覚がおかしい気がする。





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『ごめんって。まだ怒ってる？』
［めんどくせぇな。お前の寝顔見たってなんとも思わねぇわ。］

「そういう問題じゃないっ！」






いつも通りの兄弟3人での通学路。
もうここからおかしい気がするのは私のせい？

今どき、高校生にもなって一緒に通学する兄と妹なんている？いや、いないと思う。



普通妹なんてちょっとうざいくらいに思ってるものでしょ？

なのに。






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『ほぉら。怒ったら可愛い顔が台無しだよ〜？』
［危なっかしいんだよお前は］

「〜もう！！」






くしゃくしゃと撫でられた手を頭の上で捕まえる。


子供扱いされてる。
風磨に至っては一つしか歳も変わらないくせに。

健人も風磨も、ちょっと私に構いすぎるから。





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「私、1人で通学くらい出来るから！」





きっ、
と睨みつけてからそう言って歩く足を早める。

ちらりと後ろを振り返ると、
やれやれなんて肩をすくめる
ふたりが目に入って。






「なによ……っ」






いいながらその足をさらに早めた。

そんな日常。





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だけどそんな日々が崩れるのもまた一瞬。

……あれ、私はなんで今、
風磨に押し倒されてるんだっけ。


2人だけの日曜日。

健人もバイトにでかけて、
家には風磨と私だけ。




2人で健人のバイト先にでも行こうか、
なんて話していたのに。

今目の前にいる彼は、
寂しいような、
何かを押し殺したような目で私を見る。







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「……ふーま？」






手、痛いよ。離して。
そう言いたいのに。
その瞳に吸い込まれてしまいそうで。

ごくり、唾を飲み込む。と。






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［お前さ……兄貴のこと好きなの］






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耳元に寄せられた唇が
触れるか触れないかの距離でそう問われる。

なんで急に。私が、健人を。なんて。







「……なわけないじゃん。何言ってるの」





離して。いいながら緩い拘束に変わった風磨の腕から逃れるけど。






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［じゃあ、俺のことは？］





continue...

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