標的27 「呼び捨てで行く」 ページ29
『お疲れ様』
「ん」
お店のお兄さんたちが帰った後、リビングのソファに座っている委員長様の前にアイスティーを置く。
彼がグラスを手に取ったのを見てから、自分も彼の隣に腰を下ろしグラスを傾けた。
うん……まぁまぁ、75点。アイスティーを淹れるのはどうも難しいからな。
横の彼も一口飲んで固まってる。あんまりお気に召さなかったか？
『どうしたんだ、委員長様』
「これ、君が淹れたの？」
『ああ、苦手だったか？』
「………美味しい」
そりゃよかった、と胸をなで下ろす。
コーヒーや紅茶の入れ方は師匠に教わった。
料理は人並だが、コーヒーとか淹れるのは得意なんだぜ？と自慢げに話していたのを思い出す。ついでに、そこだけ女子力だね！と言ったら割と本気で叩かれたことも。
「というか君、一人暮らし？」
『両親は海外だ。一緒に住み始める筈だったんだが………』
「ふうん。最近は物騒だから戸締りには気をつけなよ」
『大丈夫大丈夫、委員長様より物騒な人間は居ないって』
「……………」
『あれ？お気を悪くされました？』
急に黙りこくった彼に少なからず焦る。
これが原因でまた咬み殺すモードに入られても厄介なのだ。
「君、僕の事を委員長様って呼ぶよね」
『ああ、うん』
「それ禁止ね。なんか気持ち悪い」
『気持ち悪いってお前……』
「………恭弥でいいよ」
『おおふ、急に下の名前を呼び捨てとか。シャイな俺には無理だわ』
「シャイって言葉調べてきて御覧よ」
『すみません、調子に乗りました』
若干キレそうだったので素直に謝る。コレ大事。
で、なんで急に呼び捨て許可を賜ったのだ俺は。
「君の事嫌いじゃないからね。少しうるさいけど」
『最後の一言がなかったらものすごい恋愛フラグだったのになー』
「恋愛とかしたいの君？」
『全然したくない』
「偶然だね、僕もだよ」
今は興味も無い、と言ってのけた彼。
“今は”がついてる辺りがしっかりしてると思う。
そうそう、自分の考えなんていつ変わるか分かったもんじゃないからな。
「じゃあ、僕は見回りに行くから。明日朝の八時に応接室ね」
『なんで？』
「制服」
『ああそうか。了解』
「また明日ね、A」
『おう。恭弥、ばいばい』
手を振るとフッと笑って玄関を出た恭弥。
なんか……下の名前を呼び捨てって………
『むっちゃ恥ずかしい』
了承したのを後悔するレベルの羞恥度でした。
穴があったら入りたい！穴がないなら掘ってでも入りたい！！
標的28 「自力でお空を飛んで行く」→←標的26 「家具を一緒に設置しに行く」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ＬＩＬＡ(プロフ) - はじめまして。作戦隊長さんの書く小説はとっても面白くて大好きです！私のすきなアニメばっかりなのでとても嬉しいです。毎回楽しみにしています。更新、頑張ってください！ (2015年11月22日 13時) (
レス) id: f8b26af0c8 (このIDを非表示/違反報告)
李 - 111票目get！！早くも続編ですね！おめでとうございます。作戦隊長さんの書く小説は全部好きで、友達にもオススメしています！これからも頑張ってください！ (2015年8月20日 22時) (レス) id: 9b63859b7e (このIDを非表示/違反報告)
Light - リボーン続編おめでとうございます（≧∇≦）リボーンは知らないんですけど読んでみていてアニメを見てみようかなと思いました。これからもたのしみにしています。 (2015年8月20日 17時) (レス) id: b06784ac14 (このIDを非表示/違反報告)
招きぬこ(プロフ) - 早くも続編！ヴァリアーが出るのを=+（0ﾟ・∀・） + ﾜｸﾃｶ +しながら待ってます(笑) (2015年8月19日 18時) (レス) id: 1abd4020e3 (このIDを非表示/違反報告)
カフェモカ(プロフ) - シャトランはトラウマなので夢主ちゃんと体力かわりたい…あの音階を聴くだけであの忌まわしき記憶がぁ゛ (2015年8月19日 18時) (レス) id: 5c444f122f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作戦隊長
| 作成日時：2015年8月11日 21時
