標的24 「ハンカチで止血して行く」 ページ26
結構血が出てるな……これは能力で直した方がいいレベルか？などと考えながら押えていた手を、彼によってぺいっと剥がされた。
目で見ると……ああ、見なきゃよかった。治すか治さないか微妙な感じの怪我ですね。
なんのつもりだろうかと見ていると、彼はポッケからハンカチを取り出し、それ止血した。ハンカチに血が滲んではいるが、手で押さえるよりかはマシだろう。
『お、おお……悪ィ』
「別に……」
ぶっきらぼうに答えた彼はスッと立ち上がった。
パンパンと軽く砂を払うそぶりをした後、無言で手を差し出してきた。
きょとーんと見ていると早く、と急かされる。
『さ、さんきゅー……』
「ん」
左手を出すと手首を掴まれ引っ張り起こされた。
へぇ〜……一応お礼のつもりですかね？
で、リボーンに向き直ったと思えば校舎の壁を指さして一言。
「壊した壁は君が直しといてね」
俺を掠った弾丸は校舎の壁にめり込んでいる。
壁に深々とめり込んでいるあたり、当たらなくてよかったぁ…と心の底から思う。
あれ当たってたら笑い話じゃすみません。入院です。
苦笑いしながら壁を見ていると、左手をグイッと引っ張られる。
「行くよ」
『どこに！？』
「応接室」
『いやいやいや病院に行きたいんだけど！？もしくは保健室！！』
問答無用というように引っ張られる俺はけが人のはず。
だーれかー……たーすけてくださーい。ただし南国フレッシュ果実はお呼びでない。
一応断ってないと「呼びましたか？貴女のナイトです。クフフフ」とか言って登場しそうだからね。念には念をということでもう一度。パイナポーはお呼びじゃない。
『ああそうだ！リボーン……だよね？その不思議バッドを山本に返しといて〜！』
廊下を引っ張られてます。相変わらず問答無用で。
授業は五時間目に突入した。今しがたチャイム鳴ったし。
転入早々、二時間も授業をさぼっている。これはマズイ。
ああああ……と俺の嘆く俺を知らん顔して放置した彼は応接室のドアを開けた。
「そこのソファに座って、傷を出して」
言われたとおり大人しく腰を下ろし、ハンカチを外し、上着も脱ぐ。あーあー制服一日でダメになっちまった……買いなおさなきゃだなぁ。
その間に彼は戸棚から救急箱を取り出して俺の斜め前に膝をついて座った。
救急箱を漁り、お目当ての物を引っ張り出して机の上に。液体が入ったボトルですね。
続いてその液体をたっぷりティッシュに染み込ませた。
標的25 「応接室に引っ張られて行く」→←標的23 「ダイブしつつ行く」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ＬＩＬＡ(プロフ) - はじめまして。作戦隊長さんの書く小説はとっても面白くて大好きです！私のすきなアニメばっかりなのでとても嬉しいです。毎回楽しみにしています。更新、頑張ってください！ (2015年11月22日 13時) (
レス) id: f8b26af0c8 (このIDを非表示/違反報告)
李 - 111票目get！！早くも続編ですね！おめでとうございます。作戦隊長さんの書く小説は全部好きで、友達にもオススメしています！これからも頑張ってください！ (2015年8月20日 22時) (レス) id: 9b63859b7e (このIDを非表示/違反報告)
Light - リボーン続編おめでとうございます（≧∇≦）リボーンは知らないんですけど読んでみていてアニメを見てみようかなと思いました。これからもたのしみにしています。 (2015年8月20日 17時) (レス) id: b06784ac14 (このIDを非表示/違反報告)
招きぬこ(プロフ) - 早くも続編！ヴァリアーが出るのを=+（0ﾟ・∀・） + ﾜｸﾃｶ +しながら待ってます(笑) (2015年8月19日 18時) (レス) id: 1abd4020e3 (このIDを非表示/違反報告)
カフェモカ(プロフ) - シャトランはトラウマなので夢主ちゃんと体力かわりたい…あの音階を聴くだけであの忌まわしき記憶がぁ゛ (2015年8月19日 18時) (レス) id: 5c444f122f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作戦隊長
| 作成日時：2015年8月11日 21時
