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9.Atsuto side ページ9

ケラケラと転がる笑い声を
篤人くん と呼ぶ柔らな声を
世界で一番美しいピアノの音を

また俺に聴かせてほしい






どうか どうか 無事でいてー

どうか どうか 無事でいてーー






篤「…何があったんすか?」






松原さんは俺の足元に跪き、その額を勢い良く地面に押し付けた。






松「っ、申し訳ありませんでした!」

篤「…、」






頭を上げてくれと咄嗟に俺も其処にしゃがみ込めば、肩を震わせる松原さんの涙が、ポタポタと地面に滲んでゆく。






松「…俺が一緒にいたのに、…すぐ隣に居たのに、…何も、出来なくて、」

篤「落ち着いて下さい。何があったんですか?」






躊躇いがちに頭を上げた松原さんは、歯を食いしばりながら、一つ一つ言葉を絞り出してゆく。






松「…Aちゃんが、開演前に行きたいところがあると言い出したんです。



その時にはもう開場時間の10分前だったので、終わってからにすれば?って言ったんですけど、いま調べてみたら、公演後にはもうお店が閉まってるみたいだからって…。



場所を聞いてみたら、すぐそこの路地裏にあるチョコレート屋だと。5分程で戻って来られそうだったので、行くことにしました」






ドクン と重たく 鼓動が鳴った






松「俺一人で行って来ると言ったんですけど、内田さんが好きなチョコレートの名前を忘れちゃったから、自分も一緒行って選びたいと。



いま思えば、俺一人で行くべきでした…」






ーーーtrauervoll…



<あ、ケルンならあのチョコレート買ってきてくれてもいいよ?>

<え?ああ、あのお店の?公演終わった後もまだ開いてるかな>

<うそ。冗談すよ。疲れてるっしょ>



ーーー






松「路地裏は石畳の階段になっていました。昨夜降った雨のせいで、あちこちに水溜りが残っていて。



一度ここで滑りそうになって内田さんに怒られたことがあるから、気をつけないとって、Aちゃんと二人でゆっくり階段を下りて行きました」






ーーーtrauervoll…



<あっ、危なかった>

<はしゃぎすぎ>



ーーー






松「階段を下りきった所には花壇があって、お爺さんがちょうど手入れをしていました。



綺麗だね なんて話しながら残り10段くらいにさしかかった時、突然、後ろから悲鳴が聞こえてきたんです」

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ぶたさんなの。(プロフ) - 昨日、今日と2日間かけて一気読みしました笑とても素敵な作品で浮気疑惑のところはやられたーって思ったりピアノの話になるたび私も練習しないとと思わされます笑 この作品は私の中で大好きな作品の1つになりました。 (2015年7月31日 23時) (レス) id: fb6db84d89 (このIDを非表示/違反報告)
おりん(プロフ) - laizさん、返信ありがとうございました!!ヒロインと内田さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきそうなシーン…嬉しいな〜!幸せそうな二人を見れて一安心…ここでスカルのベビー服!?内田さんもイカついの着てましたね!思い出して笑っちゃいましたよー(笑) (2015年6月16日 1時) (レス) id: 865a51165f (このIDを非表示/違反報告)
aquayu(プロフ) - 更新楽しみにしていました!希望の光が見えた瞬間、涙がとまらなくなったのは、私だけでしょうか?この作品、本当に本当に大好きです。 (2015年6月5日 22時) (レス) id: ff637bb026 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - おりんさん» 絶望の涙で泣き明かした夜だけど、この先に光が待っていそうな涙ですよね。思いっきり泣いて、何かが浄化してくれたらいいな。ちょっと足踏みしていた二人の背中を、「しっかりしてよ」と押してくれたのかもしれませんね^^そうそう、先程メッセージを送信しましたよ〜♪ (2015年6月5日 21時) (レス) id: 4d225c15a4 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - すみれさん» 「大好き」のお言葉、動揺していた心に染み渡りました^^ありがとうございました。少し迷っていましたが、ようやく希望の光がさしてきた二人の世界、これからも変わらず執筆を続けていこうと思います。二人の、いや、三人の明るい未来、見守ってあげて下さい^^ (2015年6月5日 21時) (レス) id: 4d225c15a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:laiz | 作成日時:2015年2月7日 20時

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