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22.Atsuto side ページ22

篤「…っ、」






真っ白な包帯がハラリと解けた瞬間

右手の甲に 大きく刻まれた傷痕が見えた






直ぐに目を逸らしてしまいたいはずなのに、何故だが其れから目が離せないまま、変わり果てた彼女の右手を、俺はただただ見つめていた。






この時初めて信じられたのかもしれない。

「 その右手はもう動かない 」 のだと。






「……あ、れ…?」






固まったままの右手を眺めながら、彼女が笑う






こんなはずはないのだと、

これは何かの冗談なのだと、






ちゃんと動くのだと、

まるで、自分にそう言い聞かせるように。






「………なん、で……動かない、」






強く握られた左手から、ギシギシと軋む音がした。でもその右手は、動かないまま。






『焦らずに、ゆっくりやっていきましょう』






固まったままの右手をただ小さく震わせながら、彼女が俺に笑いかける。






こんなはずはないよね?と、

これは何かの冗談だよね?と、






篤人くん、ちゃんと動くよね?と、

まるで、俺にそう問いただすかのように。






「……篤人くん、」






きっと誰が何を言っても、誰も何も言わなくても、全てが残酷に彼女に突き刺さる。

その現実から逃れる術は、もう何処にも残されてはいないのだろう。






篤「………」






微笑み返すこともなく、目を逸らすこともなく、ただ何も言わずにいる俺を見て、

彼女はだんだんとその表情を曇らせていった。






「………」






動かない右手を眺めながら、彼女が泣き声を零すことはなかった。

小さく震えるだけの右手を眺めながら、誰かに問いただすこともしなかった。






ただただ無表情に ただただ呆然と

刻まれた大きな傷痕を眺めていた






「………」






彼女の世界が 無音になった瞬間だったーー

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ぶたさんなの。(プロフ) - 昨日、今日と2日間かけて一気読みしました笑とても素敵な作品で浮気疑惑のところはやられたーって思ったりピアノの話になるたび私も練習しないとと思わされます笑 この作品は私の中で大好きな作品の1つになりました。 (2015年7月31日 23時) (レス) id: fb6db84d89 (このIDを非表示/違反報告)
おりん(プロフ) - laizさん、返信ありがとうございました!!ヒロインと内田さんの楽しそうな笑い声が聞こえてきそうなシーン…嬉しいな〜!幸せそうな二人を見れて一安心…ここでスカルのベビー服!?内田さんもイカついの着てましたね!思い出して笑っちゃいましたよー(笑) (2015年6月16日 1時) (レス) id: 865a51165f (このIDを非表示/違反報告)
aquayu(プロフ) - 更新楽しみにしていました!希望の光が見えた瞬間、涙がとまらなくなったのは、私だけでしょうか?この作品、本当に本当に大好きです。 (2015年6月5日 22時) (レス) id: ff637bb026 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - おりんさん» 絶望の涙で泣き明かした夜だけど、この先に光が待っていそうな涙ですよね。思いっきり泣いて、何かが浄化してくれたらいいな。ちょっと足踏みしていた二人の背中を、「しっかりしてよ」と押してくれたのかもしれませんね^^そうそう、先程メッセージを送信しましたよ〜♪ (2015年6月5日 21時) (レス) id: 4d225c15a4 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - すみれさん» 「大好き」のお言葉、動揺していた心に染み渡りました^^ありがとうございました。少し迷っていましたが、ようやく希望の光がさしてきた二人の世界、これからも変わらず執筆を続けていこうと思います。二人の、いや、三人の明るい未来、見守ってあげて下さい^^ (2015年6月5日 21時) (レス) id: 4d225c15a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:laiz | 作成日時:2015年2月7日 20時

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