第漆幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ38)

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第三百二十戦目　貴「働きたくない系の忍」ページ38

さて、この場に居ないととさまの話をしてても何も始まらないので。
つーか何の話だったっけ？………あーそうだそうだ、お見合いだ。

貴「結局、お見合いは無かったことに…ってことか？」

佐助「まぁ双方ともそれで納得したみたいだし、波風もたたなかったから関係も良好のままじゃない？というか、大将が姫さん気に入ったみたいなんだわ」

貴「まぁ、イイコだったしな」

幸村「あと半刻後には発たれるそうだぞ」

佐助「旦那、お見送り忘れないようにね」

幸村「無論ッ！」

キリリとした表情で返事した幸村。
うーん、こういう時はイケメンなんだけどねぇ。

貴「さて、鈴花ちゃんも無事見送ったし」

とは言っても俺は直接見送ってません。
小太郎と一緒に門の上から様子を眺めてただけ。
鈴花ちゃんは俺の事男だと思ってるみたいだし、変に種明かしをするよりそのままがいいのでは？と俺の中で結論づいてしまったからな。

貴「取り敢えず、ここを出てからの事を考えるか」

風魔「………(ｼｮﾎﾞｰﾝ」

ここは俺が与えられた客室。
小太郎と二人で今後の事を話しあってた(俺しか話さないけどね)ところである。

貴「いや、小太郎はそろそろ休みが終わるんじゃねェの？」

風魔「…………(ｼｮﾎﾞｰﾝ」

図星だったらしく、ｼｮﾎﾞｰﾝ度合いが増してしまいました。
仕事したくないでござる。ってか？
伝説がこれで大丈夫なのだろうか。

佐助「ホントそれだよね～」

貴「心を読むんじゃありません」

佐助「いや、Aちゃん。今の声に出てたからね？」

貴「マジかよ」

風魔「………(ｺｸﾝ」

この癖は治る気配なし。
深いため息をついたところで、騒がしいドタバタ音が。
で、スパーンと開く襖。

幸村「A殿ぉぉぉぉおおおおぉぉぉおお！！」

貴「はぁい、如何した幸村」

幸村「風魔殿と手合せしとうござるぅぅぅううう！！」

貴「だとよ小太郎」

そのまま小太郎に話を振ると、「えー」って感じだった。
全然乗り気じゃない。というか勘弁してくれって顔だった。
まぁ、確かに仕事でもないのにこんな暑苦しいコトしたくないよね。

貴「嫌だって」

佐助「まぁ普通はそうだよね」

風魔「……(ｺｸﾝ」

幸村「そうでござるか………」

見るからにしょげてしまった幸村。
ああああ、耳が垂れてる。というか垂れてる犬耳が見える！
これはアレだね、またしても霧の守護者のナッポーが俺に幻覚を見せているね！！
最強風紀委員長助けて！ここに南国果実がいるよ！！