第漆幕、戦国時代に飛んだ元一般ピーポーは最強のさすらい人らしいです。 (ページ27)

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第三百十一戦目　貴「野次馬精神だ！行くぜぇぇぇぇ！！」ページ27

野次馬が四人に増えて・・・要するに、信玄さんと相手方の父親が退出して既に三分ほど。
空間を支配しているのは静寂。もー、おっそろしいくらい静か。
ってのもお見合いしに来た二人が二人ともまともに互いの顔すら見れないのが原因でして。

信玄「事態は難航じゃな」

佐助「難航っていうか、碇を下ろして海に揺蕩ってますよ」

貴「はは。佐助、いい喩だな」

佐助「うん、この場合全然望ましくないことだけどね」

信玄「幸村め・・・お主がひっぱらずしてどうするのじゃ」

もどかしい武田保護者組。
一方の小太郎はというと、この状況が面白いみたいで、いまだにﾜｸﾜｸという効果音を出す勢いで覗いている。素晴らしい野次馬精神ですことｗｗ
で、この静寂のお見合いを破ったのはやっぱりと言いますか、残念と言いますか。

鈴花「あっ、あの」

幸村「なななな、なんでござろうかっ！」

うん、幸村君どもりすぎだよ。
というかやっぱり相手が頑張ったね。鈴花ちゃんナイスファイトだぜ！

鈴花「えっと、私の事は、鈴花と呼んでくれると・・・嬉しいです」

幸村「なっ！？おなごの名前を呼び捨てなどと・・・はれっ」

破廉恥！と叫ぶ前に自分の口を自分の手で押さえた幸村。
理由は簡単、覗いている佐助が手練れでないと分からない位の微量な殺気を放ったから。
もうそれはそれは、その台詞言ったらタコ殴りだからね旦那♪ってな感じのものだ。
正直言おう、超怖い。

幸村「なれば、そそ某のことは、なんとでも・・・」

鈴花「な、なら・・・幸村様と」

幸村「う・・・うむ」

顔を真っ赤にしながら会話をする二人。
すごく初々しくて見てるこっちが恥かしくなってくるのは俺だけですかね？
お前もだよな小太郎！！と言ったような淡い期待で小太郎を見てみました。

風魔「・・・♪」

貴「ああ、うん。そうっすか」

楽しげですね。
ぬうん、見習いたいその精神。

幸村「そっ、その・・・ご趣味とかは・・・なんでござるか？」

鈴花「しゅ、趣味ですか？えっと・・・」

佐助「いや、そこで聞く！？」

貴「いや、よくやった方だろ。今ので団子三本分に値するわ」

風魔が「お前らバカにしすぎだろ」といった目を向けて来るが気にしない。
野次馬を極めていらっしゃるあなたに言われたくないですよーだ。
そうこう言ってる間にも二人の会話はちまちま続く。

鈴花「お散歩・・・ですかね」

幸村「な、なるほど」

そこで鈴花ちゃん連れて外に行くんだ！！
それで万事うまくいく！！